振られて三日 ページ4
と、格好付けたのは良いものの
運動部でもなければ体力もない私は
すぐに追いつかれてしまった
『フーッ、フーッ、』
「ちょっ、Aちゃんいきなり走りださないでよ」
私たちの中で唯一の運動部に所属しているレトやん
そら早いわけだ
あとはきっと私の運動神経と体力の問題
「はぁ…はぁ…。」
すると後ろからうっしーが走ってきて
息を切らしながら私の横に並んだ
体力のないうっしーと私とは違いレトやんは
相変わらず清々しい顔
ゆっくり歩きながら徐々に息を整える男女２人に
その光景を何故か楽しそうに眺める１人
しばらくして私の息が落ち着いてきた頃
「てかさAちゃんは誰に告白したん」
おおう、急だなレトやん
唐突すぎる質問に少し詰まっていると何故か
レトやんが謝ってきた
「その、さっきの事怒ってるやったらごめんな、」
その、さっき笑ってた事、と私の顔をちらちらと
伺いながら申し訳なさそうにそう言った
私が黙ってるからまだ怒ってると思ったんだろう
「全く気にしてないから大丈夫だよ」
私がそう返すとホッとしたように顔を緩ませるレトやん
周りに花咲いてる気がする
で、
そうだ誰に告白したかだったわ
「私が告白したのは、清川隼」
・ ・ ・ 。
「はっ！？」
「お前、清川隼に告白したのか！？」
少しの沈黙の後に突然口を開いた２人
あまりの声のデカさに両手耳を塞ぐ
「うるっさい、声でかい」
私がそう言うと２人はハッとして口を押さえる
いや遅いわ
ここ一応校門の前なんだからさ
すると今度はさっきよりもやや小さめに話し出した
「ま、まさかAちゃんがあの清川隼に告白するなんてなぁ、」
「清川隼に告白か…お前中々のチャレンジャーだな」
ちょくちょく貶される気がするんだが
…いや、気がするだけかそうだな
「それにしても、そんな驚くのさ２人とも」
清川隼に告白する事がそんなに珍しい事なのか
「え、Aちゃん知らないんか、その清川ってやつ_____
そう続けようとしたレトやんに被せるように
ゴーンと学校のチャイム鳴った。
.
私達はそっとその場で顔を見合わせた後
教室まで全力で走り出した
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作者名：肉辛子 | 作成日時：2018年12月10日 0時
