もう、気付けよ ページ44
『まずさぁ、人の術式を便利屋みたいに扱うのおかしいよね? っていうか私の術式使うならこんなに早く起きなくて良かったじゃん』
「いや、呪霊祓うんだったら早ければ早い方がいいだろ」
『…まぁ、それはそうだけどさぁ〜…』
「仕方ねぇだろ、担当の補助監督が急に来れなくなっちまったんだからよ…だからといって日付が変わるくらいにその事言われた時は流石に俺もイラつ…まぁそんな事はいい。……ってな訳でAさん? 術式一丁お願いしまーす!」
『はいはい。全くそういう時だけ威勢がいいんだから……んじゃま』
ん、と五条に手を伸ばす。
…あ。なんか形容しがたい感情が湧き上がってきた。
いやでもまぁ、これはまだ正常な反応だよね!! だって私たち年頃の男女ですもの!! おほっ、おほほほ……はぁ、思った以上にこれは…
恥ずい、かも。
ちなみに手を伸ばしたのは、私の術式対象となるには私に触れていることが条件だから。
そうしないと移動できないし。
そう自分に言い聞かせて、心を無にして手を差し出していたのだが…一向に手を取らない五条。
パッと五条の顔を見ると、何やらニヤついていて。
『…何ニヤニヤしてんの?』
と、怪訝な表情を浮かべる私。
それに対し五条はニヤケ顔はそのままに、どこか余裕たっぷりな表情で私に手を伸ばし、
「お前…ほんっと分っかりやすー。逆に分かりやすすぎてしんどいんだけど。…でもまぁ」
細く長い五本の指を、私の指に絡み込ませ
「こういうのも、悪くねーかもな」
『ッ…!?』
────繋いだ手を持ち上げて、意地悪っぽく笑った。
『ちょ、はなっ…』
とっさの事で驚いた私は思わず手を引っ込めそうになったが、逃さないとでも言うかのように、に強く握られて。
自分とは違う固く大きい手のひらの感触に、図らずも胸が高なってしまう。
────なんっ、で…?
こんなの
こんなの、っ…もう───
『ごじょ』
「早く行くぞ」
『…っ、ねぇ』
「A」
『……』
「…あー分かった、分かったから。この任務が終わったら、いくらでも話聞いてやるから」
『…うん』
やんわりと、話を引き伸ばされた。
いっぱい、聞きたいことあるのに。
未だに繋がれているこの手のことも、
───最近の貴方が、おかしい事も。
でも、今は…我慢。
はやる気持ちを無理やり押さえつけるかのように、私は術式を発動させた。
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すば(プロフ) - じんさん» ありがとうございます!なるほど今度は逆の話を…分かりました! (2022年12月15日 6時) (レス) id: 2bcfe49558 (このIDを非表示/違反報告)
じん - めっちゃおもしろいですね!ごじょるかわよ…リクなんですけど夢主ちゃんがごじょるに嫉妬させる話が見たいです! 更新頑張ってください (2022年12月13日 22時) (レス) id: ec10f53835 (このIDを非表示/違反報告)
すば(プロフ) - えむさん» いいえー! コメントは正直いくら来てもらっても作者が嬉しくなるだけなんで気になさらないで下さい(笑)お風呂会ってやっぱりどうしてもエr((殴 (2022年9月22日 21時) (レス) id: c04b45e832 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - 何度もコメントすみません!!ちょっと…お風呂会がヤバいぐらいにふぉぉぉお!!ってなっちゃって笑 ああいう桃色の一歩手前みたいなの最高です…本当に…!! (2022年9月22日 4時) (レス) @page12 id: 65817b43a5 (このIDを非表示/違反報告)
えむ - すばさん» ありがとうございます!! ドМなんで楽しみにしてますね笑 (2022年9月21日 2時) (レス) id: 81fdab6c82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すば x他1人 | 作成日時:2022年9月17日 19時