Ra*bits ページ6
「疲れたぁ〜っ！」
「はは、お疲れだなぁAちん」
「んん〜……」
「おっ？ストレス溜まってるのか？」
「なずな〜」
「わっ！あっ、あぶにゃいらろ！」
むぎゅむぎゅ と抱きついてくるAちん。
いつにも増して疲れてるんだな〜…。
確かハグはストレスを軽減させるんだったか？
ぎゅー っとくっつけば、Aちんも可愛い見た目に反した強い力で抱きしめてくる。
あ、いい匂いするなー相変わらず。
「…………」
「んー…今はおれしかいないし、吐き出してもいいんだぞ？」
こいつは自分が可愛いことを知って、それを最大限に生かしてる。
万が一 を嫌うAちんは、学校でもそのキャラ付けを忘れない。
まぁ勿論素は外よりも出るけど。
でも、貯めすぎるんだよな、お前は。
「はああぁぁ…ざっけんなザコが」
だから、吐き出させてやる。
声は小さいし、おれの首に顔を埋めてるから、おれにしか聞こえない。
「 見た目だけ ？はっ、やっぱり底辺は格の違いもまともに認識できない残念なもんなんだね。
そのまま社会で潰れてろ。
というか俺が可愛くないとかほんとに目ぇついてんの？脳みそ入ってないんじゃないの。
凡人が有能で魅力的な俺に僻むのは分かるけど、変えられない容姿を貶すなんてマゾかな？
俺にとっては君らの顔が見るに耐えなくて可愛そうだよ。恵まれなかったんだねー。
ざまぁみろ」
背中に回る腕は、より一層力を強めた。
こいつも、本気なんだよな。アイドルであることに。
おれは傍で見てたから、よく分かるけど。
他の奴らには、ふんぞり返ってる奴に見えてしまう。相手に理解力がないだけなんだけどな。
幼なじみを貶されるのって、おれ、嫌なんだよ。
「あはっ、ありがとう なずなん！
元気でたっ！」
「そうか？なら良かった！
いつでも頼っていいからな！」
おれはお前の幼なじみだから、な！
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作者名：右脳54% | 作成日時：2019年6月25日 21時
