可愛い顔した虎被り野郎【あんスタ】 (ページ4)

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Dendrobium ページ4

はっはーん、今すぐにでもその面剥がしてやろうかクソジジイ。

なぁーんてことは言わない。
まっ、もちろん俺にかかればこんな薄っぺらい面で満足してるこいつの皮をベリっと剥がすことなんか簡単なんだけど。

俺がそこまでして手を下す必要もないもんねー。
どーせ弟からは嫌われてるんだし、常に傷心中みたいなやつにキョーミないもん。
名前なんだっけ？忘れちゃった。

「薫くん来てくれてたのっ！？」

「ふむ、遠目から確認できたからのう。
結構激しめにサイリウム振っとったよ」

「えっ！ほんと？ほんとに？」

「ほんとじゃほんと」

「わぁ、嬉しいなぁ！
薫くん、毎回ライブどうだった？って聞くとまぁまぁとしか返してくれないんだもん。
ほんっと、毎度不安なんだからねっ」

俺のライブがまぁまぁなわけねぇだろどこに目と耳付けてんだ。
まっ、実際あいつが俺のライブ大好きなのは知ってるしー。
何気にちょっとしたグッズ買ってるのも知ってるし？

伊達に長く傍にいたわけじゃないっての。
あいつ、確かに男より女だけど、フツーに俺との遊び優先する時もあるし？

「まぁ、薫くんはAくんにかなりの信頼を寄せてるようじゃからの。
仲がいいんじゃな、相変わらず」

「あははっ、まぁ確かに高校入ってからの関係だけど、波長もあったのかなっ！」

波長っつーか、俺ら両方が緩い双方にあぐらかいてるだけでもあるんだがな。

「Aくーん、開けてー」

噂をすればなんとやら。
いつも通り、軽い調子の声が聞こえた。