射的 ページ16
、
梓祇Aside
黒をベースとし、上の方は星のような小さな点模様、下の方に花火の模様…そして、
梓「… //」
前髪を上に持ち上がるようにセンターで分ける…やつ、
あ、星川が言ってたトランクスヘアってやつ?
私が個人的に好んでいた髪型だ。
偶然、今日の私は運が良いのかもしれない。
このまま直接告白出来たらどれほど良いものか。
夢「!ね、あれやって良いですか?!」
梓「へっ?…あー」
彼が目を輝かせながら指差したのは射的。
ただ一般的な射的とは違って的を射って点を稼ぎその得点でもらえる景品が決まるというものだった。
梓「…やりましょうか!」
あまりこういった祭り事では食べ物の屋台より遊ぶ系の屋台の方が行かないので抵抗感があったが…。
あの少年の様な表情を壊すわけにはいかないッッッッ((
夢「よし、行くぞ」
梓「臨むところです」
あれ、なんかノリノリ??
.
.
.
パンッと弾く様な甲高い音が響く。
どれほど撃っただろう、300円の割に弾の数が多い気がする。
夢「_…っあ!後少しで欲しいやつ取れたのに〜…。店員さん、お菓子ください…」
「お兄さん惜しかったね〜、またおいで」
夢「はい、ありがとうございます…!」
梓「え、もう終わったんですか?」
ゆめおさんと誰かの話し声が聞こえたので耳を傾けると終了の旨を伝える話が。
夢「はい、惜しかったな…」
梓「どれが欲しかったんです?」
夢「え、あー…あれです」
彼が少し気まずそうに指差した方向を向くとそこにはキーホルダーが何個か掛かっていた。
梓「あれ、欲しいんですか?」
夢「や、その隣の星のやつです。かっこいいから…」
梓「なるほど。…私デザート欲しくなっちゃって、甘いやつ買ってきてくれませんか?お金はお出しするので」
夢「え、僕が決めていいんですか?」
梓「はい!…あ、和菓子とかはなしでお願いします」
夢「んふふ、知ってますよ。任せて下さい!」
…くそ、この人たらしが。
少しむかつきながら私はコルク銃を構える。
「お姉さん、彼の為に取るのかい?」
ふと、先程の店員さんが尋ねる。
梓「はい、今日は私にとって特別な日なので」
そう微笑みながら返すと店員さんは微笑み返しながらこう言ってくれた。
「そっか、応援してるよ」
その言葉に私は任せて下さい、と少しかっこつけて返した。
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作者名:切見四季 | 作成日時:2024年1月27日 23時