鳴かぬ蛍が身を焦がす【mzmn】 (ページ8)

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8話ページ8

このカフェにはまた行かねば、いや通おう。
そこまで考えてふとこれはあの店が好きなのか、あの店員さんが好きなのかと疑問になる。

そもそも、恋に恋しているだけではと疑問を抱きかけ、自分の気持ち悪さに嫌気がさす。

そう言えば、今日がひよさんの公式だ。
パソコンの電源をつけ、生放送をみる。

「いや、そもそも私男じゃないですからね～、怒りますよ～？」
そう言いつつも乗り気なひよさんはさっさと手際よく料理を進めていく。

あのメンバーと楽しそうに笑い合う姿は妬ましい風景としか映らない。

出来上がった料理はよく分からない。
本人曰く、私の中でのラタトゥイユ、らしい。

もうひとつは小さなケーキ。

あれ、なんだか見覚えが。
いや、もしかして、もしかしなくても…？

そこまで考えて、やめた。
純粋な気持ちで生放送を楽しもう。

「でもこれではただのケーキなので、これを男にします。」

そう言うと見た目まで整った綺麗なケーキにチョコをぶしゃっとふきかけて、そこにフォークをさした。

発送が似通っているんだな、彼と。
味はいいと好評で、見た目もチョコのおかげで加点だ。

いつかそれが食べたいな、そうは思うが無理な話なので諦めておくのも自衛術というものだ。