1 ページ1
昔から、小さな頃から彼女は元気だった。
いつも走り回っては置いてかれて、何度も何度も泣かされた。そんな彼女は大人になっても仕事であそこに行くだの、ここに行くだのと動き回っていた。
大人になり上京するといえば、
｢え？とりっぴぃ、本気で言ってるの？｣
と会話をして、その日の夜に、
『君の足を折ってしまいたい。』
と送ってくるような変わった子だ。
そんな彼女は結局今どこにいるのか分からないし、機種変をしたのかメールも電話もできない。
そりゃあ寂しいけど勝手に出てったのもこちらだし、と思うと何も言えなかった。相手もどこにいるかわからないし、どうしようもない。
次の実況はどんな縛りをするか、それとも普通で…。そんなことを考えていると。
ピンポーン、とインターホンがなる。
合鍵を持ってないヤツで突撃してくる奴なんて混ぜメンの誰かだろうな。
めんどくせーとは思ったが、居留守をするのも悪いので大人しく玄関に向かう。
ガチャ、と扉を開けると、予想と反した姿があった。
｢えへ、突然で悪いけど泊めてもらえません？ダメ？…まあ、ダメでもお邪魔します〜。｣
家知ってたの？
なんで今来たの？
色々な疑問が頭を巡るが、当の本人は気にしていないのか、平然と初めてのはずの部屋に押し入ってくる。
｢え、ちょ、なに！？｣
こちらが問いかけてもケタケタと笑って、
｢久しぶりで会いたくなったのぉ〜、とか言われたら彼氏気分でも味わえます？｣
と返してきたので、まともに答える気は無いようだった。
遠回しに、触れるなと言われた気さえした。
何故なら、普段の彼女は聞かれたことは何でも答えるし、少なくとも、俺相手に秘密を抱えることは無かったと思った。
2人の秘密ね？とかはよく言われたが。
混乱してるこちらを見兼ねたのか、
｢まあ、ほら〜、ね？ダメ？彼女さんいる？それなら、帰る、けど。｣
自分に自信があるような話し方をいつもはするのに、お願いがある時だけ下を向いて、髪の毛をいじる。その癖は変わらないようだった。
｢いや、いいけどさぁ…。こっちもこっちで色々あるから…。｣
ネットにゲーム実況上げてます！とは、あまり言いたくない。
｢あー、ゲーム実況者のとりっぴぃさん？｣
ニヤ、と笑う彼女はこちらのことはリサーチ済みのようだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 19人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すー(プロフ) - 沙夜さん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます！！！おかげで更新頑張れそうです...！ (2018年12月12日 22時) (
レス) id: 83f04526cc (このIDを非表示/違反報告)
沙夜(プロフ) - お気に入り登録してて本当に良かった!!すーさんの小説どれも好きなんです! (2018年12月12日 6時) (レス) id: ee250ce5d7 (このIDを非表示/違反報告)
沙夜(プロフ) - めっちゃ好きです!!! (2018年12月12日 6時) (レス) id: ee250ce5d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すー | 作成日時：2018年4月17日 17時
