32 証明問題って難しいよねわかる ページ36
.
次の日、
寝坊して昼頃に登校した俺は
「私は絶対ヒーローになってお金稼いで、父ちゃん母ちゃんに楽させてあげるんだ」
なんて、そんな眩しすぎる言葉を曲がり角で聞く
「ブラボー！！」なんて飯田くんが褒める声が響く
ああ、本当に素晴らしいねお茶子ちゃんは
それに比べてこんな俺はちっぽけで
…やめよう、嫌になってきた
取り敢えず…と廊下を進む
「……！！…Aちゃん…っ！！！」
「やほー」
「Aくんっ！もう昼だぞ！ちこ、く…っ！！」
振り返った飯田くんとお茶子ちゃんは口を閉ざした
緑谷くんも驚いているようで、
「…ん？なに？」
「なにって…！！！」
飯田くんは俺を指差して「…傷が、」と呟いた
ああ、これ？
「まあいろいろあって階段から落ちた」
「…へ、へぇえ…」
「…Aさん、昨日より傷増えてない？」
「んん？気のせいだよ気のせい」
そう言えば「…そう」と悲しそうに呟く緑谷くん
そんな顔は見たくないぞー
「そう言えば、何の話してたの？？」
.
.
「…ふーん、『ヒーローを目指す理由』、ねぇ…」
「うん」
「…そう言えば、Aちゃんは？」
「…ん？」
「Aちゃんがヒーローを目指す理由！」
「…んー、」
ヒーロー、を、目指す
違う、俺はヒーローを目指しているわけじゃない
だって、こんな自分はヒーローにはなれないから
ヒーローから最もかけ離れた存在だから
人を幸せになんて、人を笑顔になんて出来なくて
人を不幸にする、こんな自分は、
それなのにこんなところにいて、
意志を持った人たちのなかで、
俺はただ生きているだけで、
申し訳なくて
いや、そんなのはただの言い訳か。
「『証明』、かな、」
「…証明？なんの？」
「俺は…
んー、や、何でもない！秘密！！」
「えぇえぇええ！！？！？」
「隠すことでもないだろう！！！」
「ま、そのうち分かるよ！教えたら面白くないじゃん？」
「き、気になる…！」
なおも「本当に秘密？」と食い下がるお茶子ちゃんん”ん”ん”ん”ん”かわいい
わちゃわちゃと彼女の髪の毛を撫でればにこにこと俺を見上げてくる
ああ、そんな真っ直ぐな目は、だめ
俺を、俺なんかを写さないで
俺がここにいるのは、
証明するため
『俺はヒーローになんかなれない』
33 先生が怖いのはいつの時代も同じ→←31 今日はシリアスな気分なだけ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 136人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かまぼこ96%(プロフ) - ぽっぽーさん» ああああっっっ！！すいません間違えてました！！！教えてくれてありがとうございます！！！！！ありがとうございます！！！！！！！！！ (2016年8月10日 15時) (
レス) id: 87e8a0fa56 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぽー - おもしろいです!!続きが気になる! （３１の夢主ちゃんのセリフで�倏�豪�瓩箸覆辰討い泙垢�、�倏�業�瓩任呂覆い任靴腓Δ�?） 次の更新を楽しみにしています♪ (2016年8月10日 13時) (レス) id: b628f2a1bc (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ96%(プロフ) - 殺喜さん» ありがとうございます！！！そう言っていただけてとても嬉しいです！頑張ります！ (2016年6月14日 7時) (レス) id: 87e8a0fa56 (このIDを非表示/違反報告)
殺喜 - すみません、初めて！→はじめましてって打ちたかったんです。誤字りました(−−;) (2016年6月13日 6時) (レス) id: 27fcdf1dfb (このIDを非表示/違反報告)
殺喜 - 初めて！続きがきになります、夢主ちゃんのキャラがいいですね！好きです！更新大変かと思いますが頑張ってください！応援してます！ (2016年6月13日 6時) (レス) id: 27fcdf1dfb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かまぼこ96% | 作成日時：2016年5月29日 20時
