第八十七話 そして宴は始まる ページ37
あなたの名前はルネット
いい名前でしょう？
きっとあなたにも分かる日が来るわ
世界はね、とっても美しいところなのよ
「さぁ宴を始めよう」
一言
一言告げる
それですべてが始まる
紫の髪の魔女がにやりと笑うと自慢のダンスを披露するかのように魔法陣の上で軽快なステップを踏み始めた
「世界は終わる。彼女の願いはようやく叶う。」
小高い丘の上
一面に広がるのは色鮮やかな花たち
ルネットの後ろでは軽快なステップを踏む魔女
それを眺める屈強な男
「夢も理想も遥か昔に捨ててきた。今、願いと祈りだけはまだ深く。例えそれが無様であろうともこの思いだけは誰にも壊せない、奪わせない。
「あいつは目覚めるっ！全てをこの手に！世界はあいつと共にぶっ壊れるっ！そして新たな世界をこの手にっ！！いっくよぉー！ルルっちぃー！せぇーのっ！！」
活発な声と共にナーシャは手に持っていた杖を力強く地面に突き刺した
その日
世界は再び燃えた
大きな揺れと莫大な魔力が陣から溢れ漆黒の闇となり世界を襲う
まるであの日のように
「なんですの！？」
執務室で仕事をしていたステファニーは突然襲った揺れに驚きながらも待機している部下に指示を飛ばす
「ギルバード！」
「わかっている！すぐに状況を把握させる！！」
「っぐっ！きゃあっ！？」
突然襲ってきた魔力の暴走に胸を押さえベッドに倒れ込むアミエリタ
「―――だ、め・・・やめて・・・」
「えっ？・・・いやっ！こないでっ！こないでぇ！！！！」
身を守るようにきつく体を抱きしめ礼拝堂の床に転がるアストリッド
「っぐはっ！！」
咳込めば口から血が溢れ、白い肌から血が滲み出る
「！？っ！！ユーグスタクト城に侵入者！？なんで？ここはっ・・・！？」
ドゴンツッと空間が揺れなにかが侵入してくる気配を感じる
「っしゃぁー！！開いた！！開いたよん！るるっち！！」
ナーシャの嬉しそうな声に振り返る
魔法陣の上の空間が不気味に歪んでいる
「根城への道が開いたよっ！」
「さぁ、行きましょう」
ルネットを筆頭に歪んだ空間の中に入り込んだ
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作者名：ストゥアート | 作成日時：2017年6月24日 22時
