第五十四話 ローレンヌ ページ4
その言葉を聞き少女が僅かに悲しそうな顔をしたがすぐにまたいたずらっぽい笑みを浮かべた
「私の願いを叶えるため。そのために何億年もの月日を繰り返してきた。でも結局は叶わなかった。だからアミエリタを造り、あなた達ユーグスタクトを造り、魔女を造った。でも途中でおかしくなっちゃった」
「どうして?」
「セイラが間違いを犯したから」
「ママが間違い・・・?みんなママが間違いを犯したっていうの。どういうこと?」
「私が知るあなたではないあなたが生まれた。私の願いよりもユーグスタクトの願いを託されたあなたが生まれた。だから私はあなたを知らない」
その言葉を聞き俯く
そしてそっと少女の名前を呟く
「・・・私は・・・ローレンヌ様をお守りするために生まれたのに・・・なのに私は、ローレンヌ様の知らない私で、私は役目すら果たせてないの?」
「いいえ、あなたは間違いなく私が作った私の知るユーグスタクト。でも私の祈りを受け継ぎ、ユーグスタクトの祈りを託された新たな可能性の存在」
「・・・なら、ローレンヌ様の祈りは、願いは何?」
「私の願いをあなたは知っている。でもあなたはまだ知らない。それはきっとあなたが知らないといけない事だけど、あなたが今知るべきことではないわ。さぁ、もう帰る時間。あなたはまだ壊れていないからね」
「・・・そっか・・・うん、ならまたここに来てもいい?お話もっと聞きたいし、それに・・・独りぼっちの寂しさは、良く知っているから」
「それは出来ないこと。だって次にここに来るときはあなたがあなたでなくなる時だから・・・ね・・・」
「ぅ・・・」
重い瞼を動かし目を開けるとそこには見慣れた景色が広がっていた
意識を失った場所と変わらない景色
「あたま、いたい・・・」
痛む頭を抑えながら体を起こし立ち上がる
「なんか、懐かしい夢を見たような・・・」
気のせいかと呟き待機していた使者と情報共有を始める
「あれ?空間が、小さくなっていない・・・?うんん、小さくはなっているけど、私が指定した空間じゃない・・・でも結界は強化されている・・・なんで?」
主の問いかけに首を傾げる使者達
使者は主の命に従って行動しただけだから主に何故といわれても答えられない
「まあいぁ、いっか。目的は果たせたわ。アミタのところに行ってくる。」
第五十五語 もう一人のアミエリタ→←第五十三話 いつかの記憶
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ストゥアート | 作成日時:2017年6月24日 22時