第七十九話 アレクとセイラ ページ29
名前を頼りに記憶をたどる
「あぁ、あの煩い人間の子供・・・」
「あ、思い出した??煩いって・・・まぁいいや、そうだよ!アレク!思い出してくれて嬉しいよ!ねぇセイラこっちに来てよ!僕ね、綺麗なお花がいっぱい咲いている所を知っているんだ!セイラもお花好きだよね??来て来て!」
一気にしゃべりきるとセイラの手を引っ張り丘の斜面を歩く。セイラの体内にはまだ人間の子供を殺すための魔法は構築されたままだ。その気になれば一秒もかからず目の前の少年を殺すことだってできる。そんな状況だと微塵も思っていないアレクが連れてきたのは丘を越えた少し先。そこは丘の上の花畑とは違う花がたくさん咲いていた
「どう?綺麗でしょう?ここってすぐそこが谷底だから誰も近づかないんだ。だから穴場なんだ!」
「―――綺麗」
「よかった。ほらそれ!その花はね、薬草にもなるんだよ!根っこをすりつぶすの!ケガをした時に使うんだ!」
「薬草?」
「もう、セイラったら何も知らないんだからぁ。薬草!人間には必要な大切な薬なの!」
色々説明しても全く何も知らなかったセイラにアレックスは様々な薬草や花の種類について語りだした。
最初セイラは全くと言っていいほど興味を示していない様子だったが日が暮れる頃には少し気になりだしたのかこれはなに?とアレックスに聞くようになっていた
そんな日々が毎日のように続く。
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作者名:ストゥアート | 作成日時:2017年6月24日 22時