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第六十八話 御子への告白 ページ18

アミエリタと別れそのままステファニーの自室に入り事の経緯を話した

「そうでしたか。100年前の厄災はアリスさんのお母様が引き起こしてしまったものなんですね」

「ごめんなさい・・・私、知らなかったの。だからなのかな?ユーグスタクトは嫌われているんだね」

「たとえ世間がユーグスタクトの魔女を嫌いであっても私は、ステファニーはアリスさんが好きですよ」

「ぅん」

世界から嫌われたとしても自分を好きでいてくれる人は少なからずいることを知り嬉しそうに小さく頷く

「ところでどうしてこの手記を私に見せたのですか?」

「アミタがね、ステフの所に行ってみてって。先代御子のテオドシアも何かかくしているかもだからって」

「お母様が?」

「おかあさま?」

「えぇ。先代御子は私の母テオドシアです。私たち御子は初代からずっと同じ一族が務めているのですよ」

「そうなの?」

「えぇ。そして私も歴代と変わらず御子としてのお母様の記憶はすべて受け継いでいますが・・・おかしなことは特になかったはずです。それに厄災が起きたときの御子はお母様ではありません」

「違うの?」

「はい。人間は、御子も例外なく100年と生きることはできません。暗黒の厄災の時はお婆様が御子でした」

「お婆様ってなに?」

人間のような繁殖法をしないユーグスタクトにとって母という存在はセイラが教えてくれたがそれ以外の家族という概念を知らないためお婆様という言葉を分からなかったようだ

「お婆様とは私のお母様のお母様、私の二代前の御子になります。アリスさんのお母様とお母様が出会ったのはえっと、たしか50年ほど前でしょうか?そしてお母様がアリスさんのお母様を裁いたのは30年ほど前だったはずです」

「え?30年??私まだ12歳だよ?ママは30年前にいなくなっていたのなら、私と一緒にいたのは誰なの?」

「それは間違いなくセイラさんです。あくまでこちらの人間界では30年前。アリスさんの住むお城とは時間が異なっているはずです」

「んと、あぁそっか。ママがいなくなったのはアリスがまだ7歳の時だもん・・・お城の5年は人間の世界じゃ30年くらいになっちゃうんだね」

「でも確かお婆様は厄災に関してなにも覚えていないっておっしゃっていましたし、私にも記憶がございません。そうなるとお母様も知らないでしょう。」

「じゃあ手掛かりはなし、かぁ」

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設定タグ:魔女 , 成長物語 , キャラ指定あり   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:ストゥアート | 作成日時:2017年6月24日 22時

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