第六十二話 日記 ページ12
たどり着いたのは城の礼拝堂
本を陣の真ん中に置く
目を閉じ、手をかざし魔力を陣に流し込む
外の吹雪の流れが変わる
「っ・・・」
僅かな頭痛に顔をしかめるがそれでも集中して魔力を通す
「・・・開け・・・」
静寂な空間にパキンと小さな音が響いた
「・・・開いた?・・・」
目を開けると大破した鍵と本が切り離されていた
本を手に取り調べるとちゃんと鍵は壊されていた
革張りの表紙を開く
「愛するアストリッドへ・・・ママの字だ・・・」
大好きな母の文字を指でなでる
「あなたがこれを読む頃には私はもうあなたの前から消えてしまっているでしょう。私がいなくなってどれくらいたってしまったのでしょうか?あなたにとても悲しい思いをさせてしまったことを許してね・・・・・・」
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「これは私の物語。私の人生。これは懺悔であり、罪滅ぼしであり、なにも残せなかった私が、それでも残しておきたい世界の真実を記します・・・ママ・・・」
私はユーグスタクトの運命通り役目を終えた先代に代わりこの地に生まれ落ちました。
この城には誰もいなくて、静かな日々でした。
自分が何のために生まれ、何のために存在しているのか、それは先代から力と共に引き継ぎました
「・・・私は?・・・ママ・・・」
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作者名:ストゥアート | 作成日時:2017年6月24日 22時