第五十九話 ラメントの魔女 ページ9
そこはエルトリアから離れた場所
暗く暑い雲に覆われた森は薄暗くそしてどこか悲しみを帯びたような湖がある
薄暗い森は人が寄り付かず少しひんやりとしている
そんな森の中を歩く紅いローブを羽織った白髪の少女
あまり良いとは言えないような存在が森に入ってきた少女を喰らおうと近づいてくる
しかし少女が何者かに気付いたそれらは恐れ逃げるように少女から離れていく
そんな存在達に少女は気づいていたが近づかない事に気付き鼻で嗤った
森を進み湖の畔に立つ古びた木の家を見つける
「あそこか」
湖の上を飛んで渡り家の扉を遠慮なく開ける
「ごきげんよう、ラメント家当主はいるかしら?」
「これはこれはこんはるばる遠いところまで、ようこそいらっしゃいました、ユーグスタクト様。今日はどういったご用件でしょうか?」
部屋の奥からかなり年を取った老婆が現れた
突然無遠慮に訪れた客人が誰かと分かると警戒の魔法を解き代わりに客人用の豪華なソファーと机を虚空から取り出した
「聞きたい事があるの、時間貰っていいかしら?」
「ユーグスタクト様のご命令とあればいくらでも」
見た目10前半の少女に対し恭しく、まるで皇族を相手にしているかのように丁寧にお辞儀をする老婆
全ての魔女を統べるユーグスタクトは魔女よりも格が上の特別な存在
敬意を示してくれる老婆に対し少女も危害を加えに来たわけではない事を示す
「ありがとう。100年前にエルトリアで起きたことを詳しく知りたいの。ママが・・・先代のユーグスタクトが何をしたのか、そのせいで何が起きたのかを知りたいの」
アストリッドがソファーに座ったことを確認してから対面に椅子を出し座る。
ソファーよりも質素で少し古ぼけた、それでいても客人が座るソファーがかすまない程度に装飾が施された椅子
「100年前のエルトリア・・・人間達の言う暗黒の厄災の事でしょうか?」
「暗黒の厄災?」
「はい、我々魔女達にもなにが起きたのか詳しくは存じ上げませんが、わたくしが覚えていることでよければお話いたします」
「お願い」
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作者名:ストゥアート | 作成日時:2017年6月24日 22時