第九十二話 最後の封印石 ページ42
「ちょっとぉ、るるっちぃ、ないんだけどぉ?」
ふくれっ面の顔をしてルネットの顔をのぞき込む紫の髪の魔女、ナーシャ
「いくら探してもだぁめ。そもそもここの空間って魔女の力を抑制しちゃうしぃ?」
「そうですか。確かにこの空間どこかにはあるはずなのですが・・・仕方ありません。少々乱暴ですがここを破壊して呼び出しましょう」
「きゃはっ!!そぉーでなくっちゃぁ!!んじゃっ!いっくよぉー!!そぉーれっ!!」
ナーシャが魔法陣の中心に杖を刺すと同時、空間がドゴンと揺れる。
「うわぁー、さすがユーグスタクト。あの女の力をため込んでいるだけあるねぇー。ちょっと流れを乱しただけでほぉーら。すぐ壊れちゃう。あはは」
空間の揺れは収まらない
城の外の吹雪はいつも以上に荒れ狂い、地面に巨大なひび割れを起こし、城の外壁は崩れ落ち始めている
「ん??あっ!!みぃーつけたっ!!」
「本当ですか?」
「んー!こっちこっちぃ!!」
ナーシャに連れられ、たどり着いたのは城の礼拝堂
床に描かれている魔法陣を持っていた剣で引き裂く
「んでもってぇ!」
ローブの中から小瓶を取り出すと礼拝堂の壁に向け投げつける
瓶が破裂し壁を破壊する
「こっちこっちぃ!」
ナーシャの先導の元荒れ狂う吹雪の中を進みガゼボに辿りつく
「ここは?ここだけ随分城とは違う仕組みで動いているようですが」
「んーこれあの女が作ったものじゃないもん。結界を維持する石を弄って作っているっぽいねぇ。おかげでこの中だけが結界が弱いもん。あはは、なるほどなるほどぉ。ここなら魔力が戻るねぇ。でぇもっ!!えいっ!!」
ガゼボの中に描かれている陣を切り裂き、手を突っ込む。その手が引き抜かれるとそこには封印石が握りしめられていた
「封印石、ゲットォ!!はいるるっち!」
「えぇ。確かに本物ですね。まさかユーグスタクトの中にあるべきこれがこんなところにあるとは・・・やはり今回のユーグスタクトはどこかおかしい。まぁこちらとしては助かるんですがね。では最後にユーグスタクトを捕えに行きましょう。これでやっと始まります」
「あはは、はじまるねぇ。楽しみぃ!!」
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作者名:ストゥアート | 作成日時:2017年6月24日 22時