第六十四話 母の罪 ページ14
私はある日人間界へと降り立ちました。
そこはとても不思議なところで、いろんな人間たちがいろんな生活をしていました。
私はよくエルトリア郊外にある小高い丘に遊びに行っていました。
そこは白しかないユーグスタクト城とは違い様々な色で溢れかえっていました。
静かで色で溢れかえるそこが大好きで、よくそこで過ごしていました。
ある日いつものように過ごしていると一人の人間の少年と出会いました。
アレックスと名乗る少年は私にいろんなことを教えてくれ、ユーグスタクトとまた違う人間についていろいろ語ってくれました。
まぶしい笑顔で話す彼に、私は少しずつ、少しずつ惹かれるようになってしまいました。
でも人間とユーグスタクト。
共に過ごし同じ時を歩む事は出来ないことはわかりきっています。だから私はある時から人間界に行くのを止めました。
アレクと別れずいぶん月日がたち、久しぶりに丘に行くと大人になったアレクがそこにいました。
変わらぬ笑顔で、横には優しそうな女の人と、アレクと同じ笑顔の小さな小さな少女がいました
彼は結婚をして家庭を持っていました。
私はアレク一家と共に過ごし、そしていろんなことを学びました。
でも人間の中にはユーグスタクトや魔女のことをよく思わない人々がいます
私のせいで何度もアレクの家は人間たちから攻撃を受けた。
その度に私はもう来ないと言ったのにアレクはそれをよしとせず、そして私も来たくないという気持ちにもなれずアレクの家に行ってしまいました
そして悲劇は起きました
いつもと変わらないはずの時間
家に着くとそこは血の海となっていました
血の海に沈む3つの死体
彼らが死んだのは私のせい
そう感じて私は禁忌を犯すことにしたのです。
死者をよみがえらせることはユーグスタクトであっても不可能なこと
それを知ってなお私は諦められませんでした
そして暗黒の厄災は起きました。いいえ。私が結果として引き起こしてしまいました。
ローレンヌ様の力をユーグスタクトが無理に使おうとした結果魔力が暴発し、エルトリアが燃えました。
でも、ローレンヌ様の力をもってしても死した者を蘇らせることはできませんでした。
これが暗黒の厄災
これが私の罪
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作者名:ストゥアート | 作成日時:2017年6月24日 22時