いつか花咲くその日まで～小さな願い～ (ページ5)

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第四話　仕事の失敗ページ5

ドアを蹴り破ると道路沿いの窓を開け、身を乗り出した。ちょうど黒い車がこのビルから出て遠ざかっていくのが見えた

「逃げられた!やっぱり先に処分するべきだった！」

忌々しそうに舌打ちをしながら床に座りポケットから手のひらサイズのPADを取り出した慣れた手つきで闇の幽霊(ダークファントム)専用のインターネットに接続をして地図を取り出す
もちろんこのPADも闇の幽霊(ダークファントム)から支給されたものだ。
地図には赤い光が点滅しながら移動していた。
アリスは何かあった時の為にこの建物に入る前、全ての車につけておいたのだ

「取り付けておいて正解。まさか本当に車で逃げるとは思わなかったけど…まぁ車を乗り換えられたら終わりだけどね。現在北西700m。」

PADをパタンと閉じアリスは用がなくなったビルをあとにした

～深夜・公園内～
ビルから少し離れた場所にある小さな公園のベンチ少女はいた。少女は座り周りに誰もいないことを確認するとあるところに電話をいれた

［なんだね?］
相手は男の人の声だった

「アリスです。すみません組長と幹部2名逃してしまいました。組織のネットワークは完全に破壊してあるのでご安心を。組長に関しては追いかけたほうがよろしいでしょうか?車には一応発信機をつけているのでこちらで潰すことは出来ますが…指示を」

アリスが車につけた発信機とはプラスチック爆弾が内臓された物だ。つまり“潰す”とはPADを使い遠隔操作で爆発させるという事だ。
外ではあまり騒ぎを起こすなと念をおされている為は指示を待つ

[そちらは部下に行かせるとしよう。報告書は後でこちらに送りなさい。次の仕事があるが頑張れるかな？]

「はい…頑張れます」

[そっちに朝比奈を送った。使うといいよ、頑張ってきなさい]

「はい…お父様…」

アリスは電話を切ると当たりを見渡した。公園の入り口に先ほどまではなかった黒い車が一台止まっていた

「さすがお父様。用意がいいな」

車に近づくと運転席から男が降りてきてアリスのために後部座席のドアを開けた

「いつ来たの?全然気がつかなかった」

「お嬢様が旦那様とお話ししている間に」

アリスが乗ったことを確認するとドアを閉め自分も運転席に戻り車を発進させた