第六話 美術品 ページ7
「遅い。人を呼んでおいて待たせるってどういうつもりよ。…それにしてもあいかわらず淀切は変なところにお金をかけるのね。あれを解除するのって結構面倒臭いさいんだけど」
淀切一笑(よどきりいっしょう)を軽く睨みながら警備に対する不満を口にする
「こういう職業なんだ、仕方ないだろう?それを言うなら君も、君の屋敷の警備のほうが物騒な気がするんだがね」
「私は狙われやすいからね。いつなにが起きてもいいようにしてあるだけ。それと私のことはいいから要件を言いなさいよ。」
「早速仕事の話かな?少しはゆっくりして行けばいいものを」
「ゆっくりなんかしてられない。さっきの仕事で少し失敗したからね。事後処理しないで来たんだもん」
「なるほど…けがをした挙句ターゲットでも逃した…ってところかな?手当てをさせようか?」
ニヤリと笑いながらジロジロ見てくる淀切
「いい。手当くらい自分でして来たから。それに図星だから余計腹立つ。早く要件」
「あぁそうだったな。今回は情報屋としてだよ。いつとの美術館のスケジュールと警備情報。管理状況及び美術品の管理スケジュールだ」
「…それだけ?また?…くだらない趣味をしているのね、…美術品集め、まだやってるんだ」
呆れながらPADを取り出し電源を入れる
「お子様にはわからんだろう?絵の価値なんて」
「そうね、私から見たらすっごくつまんないしくだらない。報酬は?」
「今さりげなくばかにしたよな…報酬は内容によるな。ここで調べてもいいからできるだけ細かく頼むよ」
早速PADをいじり始めたアリスはふと大事なことに気づき一瞬その手を止めたがまたすぐに作業を再開させながら疑問を淀切にぶつけた
「そういえば今回はなにを盗むの?」
「一万」
アリスの質問に淀切は即答で現金を要求してきた
「…まったく…小さな子どもからお金を取り上げて罪悪感の欠片も感じないの?…はい」
文句をいいながらもアリスはPADをみながら器用に片手で財布を取り出し一万札を机の上に投げ捨てた
「ではその小さな子どもから何千万も取り上げられる私の気持ちなどわかるのか?」
アリスが投げた一万札をポケットにねじり入れながら淀切はニヤニヤと笑った
「わかりたくないね。あなたがなにを思おうと私は興味ないし知りたくない。それよりちゃんと払ったんだから教えなさいよ」
「君は興味がないことには見向きもしないみたいだな。趣味とかあるのかい?君の趣味は変なものばかりだと思うがね」
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作者名:ストゥアート | 作成日時:2017年1月11日 22時