第三十話 アミタと揚げパン ページ29
嬉しそうに目を細める
「・・・?」
ふと気配を感じ、目を向けるとユーグスタクトの使者が入り口に立っていた
「どうしたの?・・・そう、向こうは一週間なんだ・・・あなたマメね。自我に近いものを持っているなら、お城勤めの上位個体の子ね・・・あそこはどうなった?」
僅かに使者が身動きをする
「そう・・・あのラザフォードとかいう人間が細工したのね・・・むかつくけど助かったわ。それで?イグノランスの当主とはコンタクト取れた?・・・わかった。行く前に知らせは出すって伝えておいて」
再び寝返りを打つ
「・・・また、会えるかな・・・」
「あ、リッド!久しぶりだね!会いたかったわ!」
「ふぁ」
アストリッドの姿を見つけた瞬間抱き着くアミエリタ
「あのね、聞い頂戴。私、リッドのためにセイラから貰った玩具を全部出してみたの!」
アストリッドをベッドにつれて行く
ベッドの上には大量のぬいぐるみや玩具が置いてあった
「ねぇ遊びましょう!」
アストリッドをベッドに座らせる
「リッドはどれが好きかしら?」
「・・・怒って、ないの?」
「なにが?」
「だから、二週間もここにこれなかったこと」
「あら、そんなことを気にしていたの?ありがとうリッド。でも私はまたリッドに会えるのなら何年でも待てるもの。待つのは得意よ」
「ごめんアミタ」
「いいのよ。リッドはリッドでしないといけないこと、あるのでしょう?大丈夫よ」
「うん・・・あ、アミタ、揚げパンって知ってる?」
「揚げ、パン?」
「これよ。甘くってすごくおいしいのよ」
ローブの内ポケットから揚げパンが入った袋を二つ取り出す
「変なの。リッドは魔女なのに食事をするの?」
「しないよ。基本的に栄養摂取は必要ないもん。でもこれはお気に入りなんだ。ある人間に教えてもらったの。こっちがアミタの分よ」
「ありがとうリッド」
恐る恐る袋を開け匂いを嗅ぐアミエリタ
「すごくいい匂い。もったいないわ。あ、リッドまだ食べないでね、せっかくだから味覚を作らないと」
体内に魔法を展開していく
その作業をしている最中、アストリッドが驚いたように目を見開いた
「アミタ・・・それ・・・」
「ん?あぁこれね。私も味覚が必要ないからセイラに教わったの」
「・・・アミタ、よくみたらあなた人間じゃないね」
「あれ?気づかなかったの?・・・リッドは私のこと嫌い?」
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ストゥアート(プロフ) - 昔少女さん» コメントありがとうございます。更新頻度は遅いですが、楽しんでいただければ幸いです。これからもよろしくお願いします。 (2017年10月22日 14時) (レス) id: df3bdd8f8f (このIDを非表示/違反報告)
昔少女 - あなたの生み出す想像の世界を私も漂っています。 (2017年9月17日 15時) (レス) id: f6820b1fd8 (このIDを非表示/違反報告)
ストゥアート(プロフ) - エリザさん» ありがとうございます。今週は期末試験期間なのでほとんど更新ができませんがこれからもよろしくお願いします。 (2016年7月25日 20時) (レス) id: df3bdd8f8f (このIDを非表示/違反報告)
エリザ - 更新まっています(^_^)/~ (2016年7月25日 11時) (レス) id: fa956406d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ストゥアート | 作成日時:2016年7月4日 21時