１０ ページ10
俺よりも先に。
「安田、久々やな！」
ガラガラの声がAちゃんを呼び止めた。
その人を振り返ったAちゃんの目が、
瞬間ハートになったん、
気付いてもうて。
胸が、ズキっと痛んだ。
この人が初恋の村上くん？
思ってた人とは違う。
俺は何ていうか、もっとこう、
いかにもエリートっぽいいうかさ、
すました感じの人を想像してた。
「村上くん、ほんま久々。
でも噂は聞いてるよ。
会社、起こしたんやって？
すごいなあ」
村上くんに浮かべた笑顔は、
Aちゃんやないみたい。
俺の知らん、大人の女の人みたいで・・・
すぐ目の前におるのに、
めっちゃ遠くに感じる。
「いや、大したことないで。
なんとかやってるわ」
「またまた謙遜して。
羽ぶりええて、みんな噂してるもん」
この人、この若さで会社起こして、
軌道に乗せて、
すごい人やねんな。
見習いシェフの俺とはえらい違いや。
この人とは比べるんもおこがましいかな。
「みんなて誰やねん。
安田は？今は何してんの？」
「私は普通の事務員。
暗い倉庫でひたすら在庫の計算したり。
働いてるアジア人とか日系ブラジル人に仕事教えてる。
地味ぃな仕事」
Aちゃんは、
仕事が辛いねんて。
よう愚痴ってるけど、
辛そうに話せへんから、
本気で辛いんかは、
伝われへんねんけどな。
「それ、結構おもろい仕事やろ。
なかなか外国人と交流せえへんで」
村上くんが歯を見せて笑った。
八重歯や。
何本あるん？
八重歯て、普通、１本程度やろ。
変なことに衝撃を受けてたら、
村上くんが、
急にカウンターの奥の俺を振り返るから、
心臓、止まるかと思った。
俺の強烈な視線、感じ取った？
「すいません。
ノンアルコールのビール下さい」
ただの注文でめちゃくちゃほっとしたわ。
ノンアルコールて、
車で来てはるんかな。
て、ちらっと思った。
「かしこまりました」
答えた後に。
「それとこの子には・・・
安田、何にする？」
村上くんがAちゃんに聞いてやってる。
この子、か。
年下の俺には、
絶対に出来ひん呼び方や。
「うん、カクテルがいいかな。
たあ、何かオススメのある？
村上くん、このバーテンさん、
実は弟の友達やねん。
紹介するわ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 737人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひみさ(プロフ) - このお話、切ないけどいいですね(///∇///) 続きも楽しみにしてます♪ (2017年12月28日 17時) (
レス) id: 2e580a9b8d (このIDを非表示/違反報告)
般若(プロフ) - あー！！こっちの話も好き(>_<)たあ、、、。foolさんお得意の？←焦らしというか、互いのすれ違いがビビッと来てます◎はよ、たあと結ばれてほしい、、、。うわーん (2017年12月28日 14時) (レス) id: ebddda1dae (このIDを非表示/違反報告)
yume.no.(プロフ) - 今のお話の方が私は好きです☆年下たぁくんも最高ですね(*'ω'*)完結まで楽しみに読ませていただきます☆ (2017年12月28日 0時) (レス) id: 716f977705 (このIDを非表示/違反報告)
マッキー(プロフ) - あら！内容変わってる？！びっくりしました（笑）けど、得した気分♪ (2017年12月27日 23時) (レス) id: 91ea55fdc2 (このIDを非表示/違反報告)
えぬ(プロフ) - 新しい展開ドキドキします！前のも読めてよかったです！新しいのも楽しみにしてます(^o^)！頑張ってください！ (2017年12月27日 11時) (レス) id: 0e23a7d5b0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fool x他1人 | 作成日時：2017年12月14日 10時
