Street Blues ４

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終電にはまだ早いけど・・・


これ以上、村上くんに恋してるAちゃんを見てるのが辛い。


「もう？
今日は早いやん。
どうしたん？」


話し足りひんのか、
Aちゃんが、
寂しそうに言う。


「うん。
明日、仕込みが大変やねん。
朝早いから。
金曜のデート、頑張ってな」


心にもないセリフを吐いてもうた。


Aちゃん、玄関先まで見送ってくれたけど、
まっすぐに目を見るんも辛い。


いつかこんな日が来てまうかもって、
ずっと不安やったくせに・・・


なんの行動にも移せへんかった自分が情けない。


「うん。頑張るね。
たあのお店の近くやから。
帰りに寄るかも。
章大、反対してくるから、
相談出来るん、たあだけやもん。
また話、聞いて？」


ちょっと甘えた声で言われて。


他の男のこと、話したい言うてんのに、
可愛ええなあって思ってしまう。


俺、実はどMなんかな。



エレベーター降りたら、
少し遅れて、
階段でヤスが駆け降りてきた。


「大倉！」


息切らして、なんでかヤスの方が泣きそうな顔してる。


「気にせんでええで。
俺、ええ加減、諦めるわ。
全然相手されてないん、
最初っから分かってんのに・・・」


言いながら、
やっぱりまだ諦めたないって、

心の奥からそんな気持ちが湧いてくる。


「デートなんか邪魔しに行ったらええやん。
俺は・・・
大倉のこと、応援してるから。
姉ちゃんが無神経なこと言うて、ごめん・・・」


「なんでヤスが謝るねん。
Aちゃん、俺の気持ち、知らんねんから。
しゃあないやんか・・・」


「とにかく、金曜のデート、
邪魔しに行けばええねんて。
中之島公園やろ。
お前の店のすぐそばや」


錦戸先輩とおんなじような事を言うてる。



そんなこと。


俺に出来るはずない。


好きな子があんなに幸せそうにしてんのに、
それを邪魔なんて・・・

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