Street Blues ４

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「おらんよ。
私、もてへんみたい」


可愛い言い方するねん。


けど、それは嘘や。

現に、俺がこんなに好きやもん。


Aちゃんは職場では、
パートのおばちゃんと、
外人の男にしか会わへんからな。


これっていう出会いがないから、
安心してたのに・・・


「そうなんか・・・？
ええ女になったのにな」


村上くんの顔が分かりやすく輝いた。


「なあこの後さ・・・」


村上くんが言いかけた。


その時。


「今からビンゴゲーム始めます！
会場の中央にお集まり下さい」


司会の女の人の声がして。


二人して、行ってもうた。


Aちゃん、ずっと頬が赤かったな。


俺には見せた事のないような・・・


照れた顔してた。


初恋の人に、
１０数年ぶりに再会して・・・


心が躍ってるんが手に取るように分かって。


胸にずっと、
重しされてる気分。




仕事終わって、
ロッカー室に戻ったら、


【 ごめんね、たあ。
送ってくれる約束してたけど、
村上くんが車で来てるからって。

帰りにドライブして送ってくれるって言うから、
先に帰るね 】


そんなLINEが入ってて、
思わず、ベンチに座り込んでしもた。


錦戸先輩が後から入って来て。


「お前、一体どうしたんや」


めっちゃ驚いて聞いてくる。


「失恋しました・・・」


泣きそう。


「失恋？
お前、彼女おらんて言うてたやん」


「好きな子が、他の男とデートに行きました」


「邪魔したらええやん」


いとも簡単に言うてくる。


「出来ませんて。
めっちゃ嬉しそうにしてやるのに・・・」


「それってさ・・・
さっきの、あの、紺色の服着てた女の人やろ？」


ズバッと聞かれてもうた。


「なんで分かるんですか」


「お前の顔見てたら分かるわ。
まだチャンスあるって。
付き合うてるわけちゃうんやし」

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