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急に、Aが俺の方、向いた。
それから。
俺の事、ちょいちょいって手招きしてくるから。
少しかがんで、
口元に耳寄せる。
「ごめんね。
ほんまは好き。
怒った?」
不安そうに言うねん。
もう・・・
たまらんやろ。
なんで拗ねとったんかは、
秘密みたいやけど。
純情ちゃんて、からかったせいかな。
「あほやな。
泣きそうな顔して。
ツリー運ぶで?
これは結構大変や」
欲張って、でっかいのに決めたからな。
俺の部屋に飾るのに、
二人のもんやからって、
絶対に半分こでお金払うって、
Aが言い張るから、
根負けして、割り勘にした。
二人のものって響きに、
ちょっとグラってなったんも事実。
昨日、
俺と一緒ん時は、
財布は出さんでええで?
給料日前だけは助けてもらうかもやけど。
そう言い聞かしてんけどな。
先週のホテル代でさえ、
気にしてやるから、
感覚ちゃうねんなあって。
そら、カップルによってルールは違うんやろうけど。
もう学生ちゃうねんし、
俺は彼女にお金なんか払わせたないねんな。
二人で、でっかいツリーの箱を運ぶ。
電車の中は結構大変やったけど、
めっちゃテンション上がって、楽しかった。
こうやって、毎年、
思い出を積み重ねていけたらええなあ。
Aとはずうっと一緒におりたい。
こんなにまもってあげたいて思える子に出会ったことない。
めっちゃ大事にしたい。
社員寮の狭い寝室とダイニング兼リビングで、
どこに置くか、Aは真剣に悩んでる。
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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2017年11月16日 21時