Street Blues (ページ16)

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こんな場面見て、どう思うかなって。

そればっかり気になって。

少しはやきもち妬いてくれたりする？

ちょっとだけ期待したのに。

「良かったな！頑張れや？」

すごい可愛い笑顔で、口パクで伝えてきた。

章大は私が櫻井リーダーとうまくいっても、
平気なんや。

そっか。

いつも応援してくれてたんやもん。

そうやんな。

「安田、そろそろ行くぞ」

櫻井リーダーが、章大に声をかけて。

章大も喫煙ルームから出てきた。

タバコ吸ってるとこ、カッコよかったな。

私・・・

あの夜から、章大の事ばっかり考えてる。

どこにおっても、
目で追ってしまう。

たった一回、キスされただけで、
こんな風になるなんて。

久々過ぎて、恋の免疫がそろそろ切れかけてるせいかな。

「今から外回りだから。
じゃあ後で。
Aちゃん」

櫻井リーダーが先に歩き出す。

すれ違い様。

「そんな不安そうな顔せんでも大丈夫や。
櫻井リーダーもAに気ぃ、あるわ」

章大が私の肩に触れて、そう言った。

子供やないんやから、
あの夜の事、なかった事にしようって。

章大はそう言ってるんやって、

やっと分かった。

気付いた途端に失恋してるやん。

私、ほんまにタイミングの悪い女やわ。

昔からそう。

大学の卒業記念に、
二人きり旅行に行こうって言う彼に。

なかなか一線を超える勇気出されへんかって。

ぐだぐだしてるうちに、
友達の萌に取られてん。

クリスマスのルミナリエ。

ひとりぼっちで彼を待って・・・

凍えて、
インフルにまでかかった過去がある。

それ以来、男の人とは距離を置くようになってた。

やって、男の人って少し仲良くなるとすぐに、
そういう関係になろうとするから。

怖い。

私がおかしいんかな。

気持ち悪いって感じてしまうねん。