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「はい、あーんしてイチゴ食べさして」


章大が口、開けてくるから、
思わず、周りをきょろきょろしてしまう。


誰か、知り合いにでも会うたら、
生きていかれへんやん。


さすがにこのこじんまりしたお店には、
セレブっぽい奥様ばっかりで、
知り合いはおらんみたい。


「もお。
甘えん坊さんやん」


一応、文句は言うておくけど。


フォークにイチゴ刺して、
章大の口元に運んだ。


章大の口元って、色っぽい。


笑うと、唇が途端に薄くなって、
可愛い前歯が見えるねん。


いつも一緒に何か食べてたはずやのに。


急にこんなこと、感じてる。



カフェの後は、
ショッピングモールでぶらぶら。


街はすっかりクリスマスやから。


ツリーとか、オブジェでいっぱいで、楽しい。


「章大の部屋、
ツリーなかったね」


男子やけど、
章大は、そういうの、飾ってそうやのに。


「俺、今年の春からあっこに住み始めたばっかやからな。あの部屋で今年初めてのクリスマスやねん」


章大が言うから。


「じゃあ、二人で飾りしたいな」


つい言っちゃった。


うちの両親、やけに厳しいし、
クリスマスまで、もう泊まれるかも微妙やのに。

それも不安・・・


章大、面倒にならんかなあって。


堅くて面倒なお母さんのこと、
煙たがって、
私から離れていった男の人もおるし・・・


昨日も、一人暮らしの光希の名前使っちゃってんな。

光希の部屋なんか、泊まったことないくせに。



「ええな。
どんなんにする?
今日はルミナリエ行くから、
選ぶだけで、
明日、買いに来よっか。
今日も泊まれる?」


章大が少しだけ不安そうに私を見た。


「ううん。
2連泊は無理かな。
でも昼間なら大丈夫やから。
明日、二人で買いに来たいな」


「せやな。
めっちゃ楽しみ」


章大が私の頭をなでなでしてくれて、
それから、
真剣な顔して、ツリーを選び始めた。

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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2017年11月16日 21時

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