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好きって、そういう好きとはちゃうけど。
なんで、自分の心の中やのに、
言い訳してんねやろ。
広めのベランダに洗濯物干しながら。
「今日はあったかいなあ」
章大が嬉しそうに言う。
「お布団も干す？」
聞いた時に、
下の駐車場に、
櫻井リーダーの姿が見えた。
かっこいい外車に乗り込んでく。
なんとなく見てたら、
もうすでに半身、車にあるのに、
不意に上を見上げるから。
うわわって。
慌てて、
バスタオルの陰に隠れちゃった。
「章大、櫻井リーダーもここに住んでるん？」
まさか、あんなにセレブそうやのに？
こんな狭い社宅に？
「ああ、うん。
別の棟やけどな。
前のほら、A棟やで？」
「会っちゃうやんか」
「そら、しゃあないやん？
けど、櫻井リーダーが言うてくれてんで？
素直になれって」
「そうなん？
なんて大きい人やねやろ・・・」
つい、心の声が。
章大が、ちょっとむってしてるのに、
洗濯物干し終わってから気付いた。
部屋に入っても、
「次は掃除しよ？」
言うても、
ぷいってしてくる。
「章大？
なんで怒ってるん？」
嫌やな。
私、なんかしたっけ？
「他の男、褒められたら、
そら、ええ気はせえへんやろ。
しかも、この前まで好きやった相手やし」
そんなん言うから。
吹き出しちゃったやん。
「章大、可愛い」
つい言っちゃう。
ベッドであぐらかいてる章大に、
むぎゅうって抱きついちゃった。
「ああ、もお。そんなんして。
ずるい子やな」
「また言うてる。
ずるいて。
章大、前も言ってた。
どういう意味？」
キスされた時は、
ほんまに意味、分かれへんかってん。
けど今は・・・
章大に、好きって、言うて欲しいだけ。
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2017年11月16日 21時
