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午後は外に用事があるのでロッカーを開けて黒のベスト、ズボンにウエストポーチを取り出した
ちなみにこのセットは初めて自分の給料でポートマフィアに合わせて買ったものだ。
ベストの胸ポケットにペン型の小型録音機を挿した。そしてポーチには他人に見られても佳いような書類やカメラなどをいれて、確認すると情報課の扉を開けた。
〜
お腹が空腹を訴えている頃、私はヨコハマの中心部にある商店街にきていた。昼ご飯を食べれるところを探しに来ているが、流石に同じ考え人が多い。至る所の店は混んでいて待ち時間は長そう。ただ、ファストフード店で済ませるのもアリだが焼き魚が食べたいのだ。
和食の店を探してみると少し商店街から離れたところに和食の店があった。そこの扉を開けて暖簾をくぐると味噌汁のいい匂いが漂ってくる。いらっしゃいませというお婆ちゃんの優しい声にほっこりしながら、案内されたカウンター席に座りメニューを見る。
却説、どれにしようか…
定食で迷っていると調理場の方から甘辛い醤油ベースのタレの匂いとフライパンで焼いているジュゥゥという音が聞こえてきた。
「すみません、鰤の照り焼き定食1つお願いします」
「ちょっと待っててねー」
他の人の注文を作っているお婆ちゃんは人懐っこい笑みを浮かべて調理場の奥から返事をしてきた。定食が来るまで書類を開き、重要な所を抜き出してまとめると云うことを暫くしていた。
「お待ちどうさま!鰤の照り焼き定食です」
「ありがとうございます」
カウンターを挟んでお婆ちゃんが鰤の照り焼き定食のお盆を差し出してきた。お盆の上にはツヤツヤに光っている白ご飯と味噌汁、沢庵、鰤の照り焼きが乗っている。
とても美味しそうだ。
私は両手を合わせて、いただきますと云うとまず初めに味噌汁に手をつけた。味噌汁は私のエネルギー源と云えるぐらいに好きなのだ。具材はわかめ、豆腐、長ネギとシンプルなものだがそれがまた佳い。少し酸味のある味噌汁が癖になりそう。
味噌汁の入ったお椀を置き、次に鰤の照り焼きに手をつける。お箸でつつくとホロホロと身が崩れるくらいに柔らかく、タレが照明の光でキラキラしている。一口食べればお箸が止まらないくらいに美味しい。身を崩し、一口分をたっぷりタレに絡ませて白ご飯の上に乗せる。そしてタレがついた白ご飯と一緒に口の中に入れると…
嗚呼、幸せだ。
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作者名:Noir&arena x他1人 | 作者ホームページ:nothing
作成日時:2018年2月4日 20時