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職場まではバス停まで10分。バスで15分。そこからまた歩いて5分。合計30分かかる。バスの時間もあるし、正直言って小走りしたのは無意味だ。

いつもは起きるのが7時で9時出勤だから遅刻はしない。けれど…。




「今日は8時出勤。出たのは7時55分。誰が間に合うんだって話だよね…」




階段を上りながら呟く。ちなみに今は8時25分。普通に遅刻だ。
コンコンと扉をノックして入る。そうっと開けると、まず、オレンジ色の髪をした男の子と目が合う。




「あ、おはよう。早希ちゃん」

「おはよう、潤一郎君。…国木田さん、何処にいる?」

「社長室で社長と話してるよ。それにしても、今日は早いね。何かあッたの?」




彼は、谷崎潤一郎君。私と同じ年の子。いつもは妹のナオミちゃんもいるんだけど…今日はまだいないみたいだな。とりあえず…





「特に何も「無いことないだろう」まあ、そうなんだけど………え!?」




パッと横を見る。ああー…怒ってる。完璧怒ってる。束ねた金髪が重力に反してるよ…!震えてるよ…!!




「俺は8時に来いと言ったはずだぞ!早希!!」

「無理言わないでください!メールを出したの、7時30分くらいですよね!?間に合いませんよ!」




怒鳴りつけてきたのは私の上司、国木田独歩さん。理想主義者にして、現実主義者。時間には1秒の差も許せないという人。

国木田さんは表情を変え、俺がそんなことするわけないだろうと眼鏡をかけ直す。




「俺がお前に連絡したのは今日の朝6時30分だ」

「…え?でも…いや、そんなことないですよ。履歴には7時30分くら」





いじゃない。6時30分。何で!?




「早希ちゃん、それは君が機内モードにしていたからじゃあないのかい?」




いつの間にか後ろに立っていたこの男の人。この人も私の上司で、太宰治さん。首や腕などに巻かれている包帯が目立ち、死ぬことが好きだなんて言う変人だ。




「あ、本当だ!!すみません国木田さん!!」

「…まあ、俺も当日に言ったからな。今後は互いに気をつけるぞ」

「はい!」

「いやぁ、良かったねぇ。朝から大喧嘩しなくて!」




ニッコリと笑う太宰さんに、ちょっと……いや、かなりムカついた。それは国木田さんも同じのようで。




「「仕事をサボった貴方のせいでしょう!?/仕事をほったらかしたお前のせいだ!!」」

「見事にハモった!仲がいいねぇ!」




もちろん、太宰さんはこのあと国木田さんの鉄拳をくらった。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:Noir&arena x他1人 | 作者ホームページ:nothing  
作成日時:2018年2月4日 20時

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