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私、芒 柘榴の1日は携帯のアラームの音から始まる。けたたましい音に目を擦りながら起きると、現在は朝の5時。カーテンを開けると眠たい朝には嫌味なほど眩しい光が部屋を照らしている。
ただでさえ白い壁が余計に白く見えて眩しい。
「ふぁぁ…」
大きな欠伸をしながらベッドを降り、仕事着に着替える。仕事着と云えど基本自由なので、白のブラウスに伸縮性のあるジーンズ。洗面所で顔を洗い、髪の毛は適当に梳かす。化粧は基本しない。
却説、朝ごはんを作ろう。
私の隣の部屋で眠る早希を起こさないように、手早く冷蔵庫から昨日の残りの白ご飯を取り出しレンジに入れる。
ご飯を温めている間に味噌汁と目玉焼きを作ろうか。
また冷蔵庫を開けて卵、出汁入り味噌、棚から乾燥ワカメを取り、鍋に水を入れ沸騰させている間にワカメを水につけ戻しておく。フライパンには油を引き、卵を割って入れる。
沸騰した鍋の水に味噌と水を切ったわかめを入れて沸騰しないくらいの火にかける。
フライパンから聞こえる目玉焼きの焼ける音、味噌汁の出汁の匂い。じっと目玉焼きを見つめていると、レンジがチンと云う音を立てご飯が温まったことを知らせてくれた。
それと同時にダイニングキッチンに繋がる1つのドアから早希が出てきた。
もう7時か…
「おはよう」
「ふわぁ…おはよー」
まだ着替えてない早希は欠伸をしながらダイニングキッチンの中央にあるテーブルの席に着く。味噌汁と目玉焼きを皿に移し、ご飯と箸を並べる。然して私も席に着き両手を合わせる。
「「いただきます!」」
一口味噌汁を啜ると出汁入り味噌に入っている鰹節の香りと味が口に広がる。ホッと一息つくと壁にかかっている時計が目に入り、家を出る時間が迫っていることに気付いた。
早希はのんびり美味しいと云ってくれているが、時間が無い。嬉しいけどそろそろ家を出なければ。
一足先に朝ごはんを食べ終え、一旦自分の部屋へ戻りカバンと上着を取った。
「早希、一寸今日は早く出ないとダメだからもう行くね」
「分かった、行ってらっしゃい!」
上着を着、肩からカバンを下げて私は玄関の扉を開けた。現在7時30分。職場までは自転車で25分。出社時間は8時だからギリギリだ。それでも遅刻はしたことがないから上司は大目に見てくれている。
今日の昼ご飯は何食べよう。
そんなことを考えながら私はヨコハマの街を自転車で駆け抜けた。
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作者名:Noir&arena x他1人 | 作者ホームページ:nothing
作成日時:2018年2月4日 20時