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「では、失礼致します」
「本日はありがとうございました」
2時間後。会食は終わり、取引先の人は帰っていった。結構長かったな〜…。社長さんたちが食べて話している間、私と国木田さんは立ちっぱなし。何も食べず飲まず…。さすがに疲れた。
「さて、戻りますか。国木田さん、羽柴さん、ありがとうございました」
「まだ、社には戻っていませんので…。気を抜かぬよう、お願いします」
「そうでしたな」
機嫌がいい。きっと、上手くいったんだろうね。いいものだねぇ…。私は早く帰りたいよ…。社長さんは秘書さんと共に車に乗り込む。その後ろにある車に、私と国木田さんは乗り込んだ。
「あとはビルに戻るだけですよね?」
「そうだ。何事もなく終われそうだ…」
国木田さん、少し疲れてる…。やっぱり、国木田さんにもしんどかったんだ。そりゃそうだよね。ぼーっと窓の外を見ていると、国木田さんの携帯が振動した。
「もしもし?…秘書の様子がおかしいだと?」
「国木田さん!前の車、様子が変です!」
「!ブレーキだ!!」
国木田さんがそう叫んだ瞬間、私達の乗っている車と、社長さんと秘書さんが乗っている車が急停止した。
「国木田さん、一体何が…」
「電話の主は前の車の運転手だ!殺人予告を出したのは秘書だ!ナイフを持っているぞ!」
私は車を降り、走りながら叫ぶ。
「異能力、『彼岸花』!」
『彼岸花』は縦真っ二つに車を切り、社長さんを庇い、秘書さんに槍を突きつける。
「異能力、『独歩吟各』…
国木田さんは鉄線銃で秘書さんが持っていた拳銃を弾き飛ばす。そして、ほぼ同時に関節技を決めた。秘書さんはなす術なく、捕えられた。
「捕らえろと私に言いながら、結局国木田さんが捕らえてるじゃないですか」
「つべこべ言わず警察に連絡しろ」
「はーい」
携帯を取り出して連絡する。警察に色々話し、社長さんのところへ行く。腰が抜けて倒れてるじゃん…。
「大丈夫ですか?お怪我は?」
「な、ない…。それより、運転手の男は…?」
「ああ、国木田さんに連絡した?…そういえば、姿が見え」
「早希!伏せろ!!」
「え?」
後ろから銃声。運転手さんが撃ったらしい。やっちゃった。まさか秘書さんの仲間だったなんて。でも、私は笑って振り返る。
「当たってませんよ?運転手さん」
だって、『彼岸花』が弾を真っ二つに切ったからね。
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作者名:Noir&arena x他1人 | 作者ホームページ:nothing
作成日時:2018年2月4日 20時