Encore ___もう一度___

14 小山 ページ14

そうして、佐藤先生が去って行った後。

手「慶ちゃん、、」

手越の声は、ひどく震えていた。

小「、なあに？」

手「俺、死んじゃうのかな、ぁ、、？」

小「、はぁ、？」

手「死ぬの嫌だなぁ、、」

小「バカなこというんじゃねぇよ、」

咄嗟に出てきたのは、その言葉。

手「慶ちゃん、？」

小「いつもの手越はどこ行った？病気なんて、すぐバチーン治してステージに立とうっていう手越は何処行ったんだよ、なぁ？！」

手「ごめんなさい、、、俺だって、たまには弱気になるよ、、、、」

俺は、深呼吸して手越の背中を優しくさすった。


小「本当はさ、怖かったんじゃねえの、？」

手「え、？」

小「本当は、不安だったんでしょ？」

手「、、ぅ、ん、、、、」

小「手越は死なないよ。大丈夫。」

手「、っ、、」

小「早く治して、またファンの子たちに会いにいこ？な？」

ふわふわの金色の髪を優しく撫でる。

手越のトレードマークのこの髪も、きっと抗がん剤によって抜け落ちてしまうだろう。


小「泣くなよ〜、」


それから、手越はたくさん泣いた。

今まで泣けなかった分も。

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