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「あ、真由佳さん。今日と明日さ、茉凛のこと連れ出してもいい？明日の祭りに一緒に行きたいと思ってさ。明日は康二もいるからその前に顔合わせ的な？今日したい思ってるんだけど。」
「あら、いいじゃない。茉凛ちゃんさえいいならいってらっしゃい？」
「茉凛、どぉ？」
「…い、く」
私が戸惑いつつも行く、と話しただけで、ぱぁ、と花が咲いたような笑顔になったたっちゃん
「あ、そうだ。茉凛ちゃん、せっかくのお祭りなんだから、浴衣とか、どう？叔母さんがお金出すから、辰哉くんと一緒に選んで来たら？」
「え…？でも着付けできない…」
「あら、そんなの私がやってあげるわよ」
叔母さんに任せなさい！と楽しそうな顔で言うから、私もなんだかどんどん楽しみになってきた
「たっちゃん、一緒に選んでくれる？」
「そりゃもちろん。こんなにかぁいい子のためならどこにでも行くよ」
じゃあ、俺と俺の幼馴染と三人で行こうか。
そう言ってその場で幼馴染さんに電話をかけ始めるたっちゃん。
電話口から漏れ聞こえてくる声は向日葵みたいに明るくて、なぜか関西弁。
「…よし、これで大丈夫。午後になったら俺の幼馴染…康二、って言うんだけど、そいつがここに来るってさ。そしたら三人でお買い物に行こう。康二は茉凛と同い年だよ。」
「康二くん…」
「そぉ。ちょっと最初は人見知りするやつだけど、慣れたら距離感おバカになっちゃうような奴だからさ、よかったら仲良くしてやって？」
「関西弁…」
「あぁ、康二な、生まれはこっちなんだけど、ご両親は関西の人でさ。だから康二も関西弁なの」
私の断片的な言葉からたくさんの補足情報をくれるたっちゃん。
聞けば聞くほどワクワクとドキドキが止まらなくなってくる。
「それまでは…まぁ、課題でもやるかぁ」
やりたくねー！なんて叫んでいるたっちゃんを横目にくふふ、と笑いながら自分の課題の準備をする。
と言っても教科の課題はすべて終わってしまっていて、あとは日記と読書感想文くらい。
だから、本を読むくらいしかまぁ今できることはない。
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作者名：彩雪 | 作成日時：2021年8月7日 22時
