No rain,No rainbow２【S.O】 (ページ10)

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episode３－１０　You Side ページ10

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そして……。

大野先生。

荒野の中の私のオアシスでした。

お母さんがいなくなってから素直に私を肯定してくれた最期の人。
そして恋を気づかせてくれた大切な人。

―――その絵良いなと思って。

想えばこのときアナタが見せてくれたフニャッとした笑顔を見たときから好きだったのかもしれない。

もう恋なんて落ちてこないと思ってた。

責めてごめんなさい。
先生は先生なりに私を守ろうとしてくれたんですよね？
ありがとうございました。私を認めていただいて。

最期に……大野先生に出会えて良かったです。
好きになって良かったです……。

「さようなら……」

バッグの中からナイフを取り出す。
私の人生に遺書はいらないから何も遺さない―――。

首元にナイフの刃を近づこうとしたときに―――。

「A！！」

扉がバンと開き、さっきまで想っていたその人がそこにいたので私は手が止まった。

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