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episode２−１２ ページ27
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ガラッと戸を開く。
「黒木！」
定位置に黒木はいた。
「ひどい……」
俺は愕然とした。
黒木の描いた絵が……キャンバスが刃物か何かでズタズタにされているからだ。
「うっ……あっ……」
俺は床に座り込んで泣いている彼女を見る。
初めて見る彼女の泣いている姿だった。
「黒木……」
しゃがみ、彼女を覗き見る。
「先生……」
「黒木……」
俺は彼女の名字を言うしかなかった。
手が勝手に動き、彼女の頭を優しく撫でる。
「黒木……いや……」
どういうこと？
「じゃあAって呼べばいい？」
こう言うと、黒木はハッとしたように俺を見た。
「A……俺はお前の味方だから……な？」
雷鳴の音が鳴り響く。
外はまだ大雨が降ってる。
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作者名：ユタカ | 作成日時：2017年2月24日 9時
