episode２−７ ページ22
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とりあえず担任の的場先生に話そうと思い職員室に向かった。
職員室に入り、彼女を呼ぶ。
「的場先生、ちょっといいですか」
「はい、何でしょう」
俺に声をかけられただけで目の色変えちゃって。
俺、そんな鈍感じゃないから。
職員室の外に出て、話題を切り出す。
「実は……４組の横山玲奈グループが黒木Aをいじめているところをたまたま発見してしまいまして……」
こう言った途端的場先生の目の色は冷たくなる。
あんたもか？
「横山グループは俺が来る前に逃げちゃって、黒木は何でもないと言い張ったので、的場先生からも彼女たちに話をしといて下さい」
「黒木さんが何でもないって言ったのなら、本当に何でもないんじゃないですか？」
おいおいおい……。
「大野先生の見間違いでは？」
そう言っちゃう？仮にも担任が。
「そうですかね……？」
「きっとそうですよ。では、私はまだ作業があるんで」
的場はスタスタと職員室に戻って行った。
マジかよ。
俺は何度も心の中で呟く。
教師である前に女を優先した的場にイラついた。
黒木は四面楚歌状態だ。
誰も味方がいない。
彼女の周りには嫉妬が渦巻いている。
それならば彼女の唯一の味方にならないといけないと思った。
教師として彼女を守るべきだと判断した。
だから目撃して以降も美術室に黒木がいれば真っ先に話しかけた。
でも彼女は一度も笑わなかった。
俺の行動がますますキミを傷つけることになるなんて知らなかった。
今でも愚かな俺を呪いたいと思ってるよ。
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作者名：ユタカ | 作成日時：2017年2月24日 9時
