To the Legend【ars】 (ページ42)

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ストレスフリーにしようという気持ちが逆にストレスに感じたりするから難しい。

退院してからは美浦に留まって厩舎業務。
日々管理馬のことを考えて、牧場や馬主さんとの連絡はこなしてる。
マスコミ対応は相葉くんがしてくれて、競馬場はスタッフが行っている。

なるべく人の目に晒さないようにすればと思っての方法だけど円滑にやっていると思う。

でも今週の有馬記念は中山に行こうと考えている。
やっぱりアカシのレースは生で見たいから。

今日は直前追い切り。
スタッフに今日のメニューを細々と伝えて俺は調教スタンドに行った。

調教スタンドは有馬記念ということもあり人が多くいた。
これもリハビリと言い聞かせる。

調教師控室に入ると物珍しそうな目で見られた。
まるでテレビで見なくなったタレントを久々に見たかのような。あながち間違ってないけど。

今日のアカシは先週同様相葉くんの乗っている先行馬を(今回はサマースプラッシュ)アカシが追っかけて先着するという内容。

コースはウッドチップコース。
入口からサマースプラッシュが出てきてその数秒後アカシが走り出していく。

今回は凱旋門賞の疲れがないことをアピールしていく必要がある。
帰厩後精力的に時計は出しているけど。

いつも思うけど励ましてくれるのは馬たちの走りだ。
人間に何があろうと馬には関係ない。
むしろ何かあったときこそ馬が想像以上の走りをしてくれる時がある。
馬の走りは初心に帰してくれる。

双眼鏡で2頭の走りを見守る。
残り400メートル辺りからカズが軽くゴーサインを入れる。
するとビュンとアカシは加速していった。

フランスで間近で見た走りがそこにあった。
これで大丈夫だと思った。

アカシの追い切りを見守ったら控室を出る。
記者会見は相葉くんにしてもらう。
どうもまだ人の目が怖い。

傍から見たらまだリハビリだって分からないかもしれないから、こういう行動がレッテルを貼っていくんだろうと思うと気が重くなる。

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