To the Legend【ars】 (ページ40)

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４０　Side You ページ40

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私が仕事をしている向かいで二宮先輩もタブレットや書籍で勉強をしている。

同棲するようになってから週に1,2度はある風景。
先輩は自分の乗るレースや馬についてこうして勉強する。
身体を動かしていることもしてるけどどっちかというと頭脳を使うことの方が多い。

先輩はこうして脳に蓄積されたデータを瞬時に出せるから凄い。
今見ているのは競馬四季報とニューディアマンテの過去のレース映像だった。

「ニューディアマンテ見直しているんですか？」

「そう。昨日クレールと話してさ。火が点いた気がする」

そこには目をキラキラとさせた二宮先輩がいた。
松本さんの件でテンションを下げていた人はいない。

「アカシの追い切りはどうでした？」

「上出来だと思うよ。相葉さんも元気になったし」

「良かったですね」

「俺たちの人間がへばっててもアカシはちゃんとしてるんだよ。馬って本当凄い」

競馬の仕事をしていると人が馬を生かしてるんじゃなくて、馬が人を生かしてるってことがよく分かる。

「だから俺はアカシはもちろんのこと、松本厩舎ではより頑張る。それが俺に出来ること」

そう言って先輩はタブレットで有馬出走予定馬の追い切りタイムを見始めた。
ゴッドオブウインのタイムを見て唸ったりしてる。

こういう先輩を見ていると清々しくなり私もモチベーションとなっている。

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