To the Legend【ars】 (ページ37)

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３７　Side Satoshi ページ37

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相葉ちゃんが体調を崩したと聞いて見舞いに来た。
家もまあ近いから。

「ありがとう大ちゃん」

相葉ちゃんはベッドでぐったり。
こんな彼を見るのは小学生の時ぐらいになるのかな。

相葉ちゃんの部屋を見渡す。
机の上には瑠未が作ったと思われる物がラップしてあった。

「瑠未来てくれてるんだね」

「当たり前じゃん。仕事の後や前に来てくれるの」

相葉ちゃんと瑠未は順調なようだ。
瑠未って尽くすタイプだよな。

「アカシはどうかって大ちゃん聞いてる？」

「聞いてるよ。多田さんが見てるよ」

「多田さんならOKだ」

多田さんは相葉ちゃんの次ぐらいに腕利きの調教助手だ。
厩舎ミーティングでそうなったらしい。

「アカシがいるのに体調悪くなるってなあ……」

自分が具合悪くなっても気になるのはアカシってことね。

「とにかく相葉ちゃんは休みなさい。体調万全じゃなきゃアカシに響く」

「そうだよね」

いつもはニノが言いそうなことを言ってみる。
大野さんが正論言ってるなんて幻聴が聞こえそうだ。

「俺はフランスではゆっくりさせてもらったけど相葉ちゃんは毎日大変だったじゃん。皆疲れてるんだよ。だからゆっくり休みなさい」

「大ちゃん優しい」

先が思いやられるけど、だからこそ俺がちゃんとしようと考えさせられる。

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