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今週はジャパンカップが行われる。
だけど秋天同様乗鞍がないから見学濃厚だ。
潤くんはというと経過は順調らしく来週の頭には退院できるらしい。
でももうしばらくは安静にしてないといけないみたいだから調教師として復帰するにはまだだろう。
潤くんがいない穴は相葉さんが埋めている。
相葉さん感情が振り切れるとアホになるけど普段は真面目にやってるからね。
でも調教師という感じはないけど。
翔ちゃんはしきりに連絡が来るというし、大野さんもよく顔を出す。
俺といえば相葉さんの代わりに調教に乗れるときは乗っている。
調教スタンドで記者たちの取材に答える。
たまに煩わしいと思うけど外が作るイメージというのも大事だから。
「アカシ明日帰厩しますね」
「そうそう。有馬記念に向けて始動するから取材に来てよ」
「松本さん最近いかがですか？」
マスコミにも潤くんのことは伝わってる。
でも外に出さないってことはこの人たちにも理解があるってことだろう。
「来週の頭には退院できるみたいだけど、まだ君たちのお相手は出来なさそうだね」
「じゃあ相葉さんに伺います」
「そうしておいて」
マスコミが俺の周りからいなくなって、次にやって来たのはクレールだった。
さっきまでニューディアマンテの取材で忙しかっただろう。
「お疲れ、クレール」
「お疲れ様デス」
クレールは俺の向かいに座る。
「ニューディアマンテどうよ」
「グッドコンディション。前よりも良くなってる」
「マジか。この間強かったもんな」
以前のようにそこまで付きっきりというわけではないが、先週と今週の追い切りには乗っている。
春の走りを払拭した走りはきっと多くの人の記憶に残っただろう。
「ジュンは元気？」
「来週には退院できるって」
「良かった」
そういえばクレールもあの場にいたなと思い返す。
「こないだトヨカズさんかっこよかったね」
「そうだね」
武岡さんがああ言ってくれたことは大きかった。
やっぱり分かってくれることはありがたい。
ふと目線を上げるとミカルが入ってきたのが見えた。
俺たちに気付いて近寄ってくる。
「カズナリ、クレール」
「お疲れ、ミカル」
クレールの隣にミカルは座る。
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作者名：ユタカ | 作成日時：2021年3月24日 8時
