２０ Side Masaki ページ20
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「ねえ相葉ちゃん、松潤最近元気なくない？」
「やっぱそうだよね……」
毎日松潤に接しているのは俺。
だからどうした？とか無理しないでねって言ってるんだけど……。
「大丈夫とか何でもないとか言われると俺も手を出せなくて……」
「若葉とは順調でしょ？」
「うん。松潤は一途だから。となれば……」
思い浮かぶのは樫木家の父と兄。
俺あの二人なんか苦手なんだよな。
松潤の出自は松潤自身じゃどうしようもないのに何で彼を忌み嫌うんだろう。
「松潤って芯の部分は出会った頃と変わらないんだよな、きっと」
初めて会ったときの松潤はニノの後ろに隠れていた。
それまで普通に暮らしてきただろうに松本先生に招かれて美浦に来て、不義の子と忌み嫌われるんだからそうもなる。
だから俺たちはそんな松潤を囲って守ってきたけど、それもまたなのか。
「俺毎日見ておくから大ちゃんも」
「うん。気にかけてく」
俺は右にハンドルを切った。
彼に対してどうすればいいか見えてなかった。
「ところで大ちゃん、絵里ちゃんとはどう考えてる？」
「どうって……？」
いつも落ち着いてる大ちゃんが動揺するのは絵里ちゃんのことだ。
「そりゃあ俺はあの中じゃ一番年だし、世間的にはって思うかもだけど俺だけの判断じゃ出来ないし……」
「まあそうだね」
大ちゃんは何だかんだで絵里ちゃんを大切にしてると思う。
「そういう相葉ちゃんは？」
「そうなれたらいいなってもちろん思ってるよ」
瑠未さんが長年不倫していた理由に思いを巡らせたら、ね。
ぼんやりでも思い描いてる。
それを明確にしないといけないときが来るかもしれない。
こんな他愛のない話をしながら美浦まで大ちゃんとドライブするような感覚になった。
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作者名：ユタカ | 作成日時：2021年3月24日 8時
