１２ Side Sho ページ12
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10月27日(日)第4回東京競馬9日目 11R 天皇賞(秋)(G1、3歳以上オープン、芝2000メートル)
秋天当日。
俺は東京競馬場にいた。
天皇賞にはお馴染みの櫻井RH所有馬ハングアップオン、グリーンライト、ワンスアゲインに加え、アカツキも出走する。
鞍上はそれぞれ池山謙太、岩村康生、川崎将大、武岡豊和だ。
グリーンライトは別にカズでも良かったんだけどグリーンライトは前走の札幌記念を岩村さんで勝ってるからそれをなしにはできなかった。
そろそろ秋天の馬券をと考えていたら親父が来場してきた。
仕事は大変なはずなのにこうして大レースのときは来るから親父も親父で競馬が好きなことは分かる。
「翔」
「親父」
すると周囲は俺たち親子を物珍しそうな目で見る。
見せ物じゃないって。
「どうかな、うちの馬たちは」
「チャンスはあるよ」
「そうか。まあ翔はさつきちゃんと楽しめ」
「いつもそうしてる」
「それもそうか」
親父は俺から離れると他の馬主に挨拶をしていく。
周囲は親父に対して腰が低い。
多分どんな馬主よりも総資産額は高い。
俺？俺はただのクラブの代表だからペーペーよ。
「代表どうなさったんですか？」
ちょうどなのか何なのかさつきちゃんが戻ってきた。
「いやさっき親父が来て少し話したのよ。周りの視線がおかしくて」
「それはそうかもしれませんね。不仲だったはずなのにって」
「歩み寄ることも出来るんですよ」
気分が良いまま新聞をメインのページにする。
「さつきちゃんどうする？」
「もちろんRHの馬を買いますよ」
「それ以外は？」
「うーん……Aさんがニューディアマンテを本命にしてるんで買います」
そう言って太田さんの連載コラムを見せてもらった。
アカシとゴッドオブウインの話からニューディアマンテへ主題を持っていき、クレールさんが毎週稽古をつけていることも書かれていた。
確かに去年の3歳世代はアカシ・ゴッドオブウイン・ニューディアマンテの3強だなんて言われた。
その後のアカシ、ゴッドオブウインの走りは言わずもがなだが、ニューディアマンテはこの春の成績は物足りなさが残る。
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作者名：ユタカ | 作成日時：2021年3月24日 8時
