To the２【ars】 (ページ22)

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「武岡さんはローリングデイズ。櫻井RHの馬じゃん」

「せやで」

「なんか意外。武岡さんが櫻井さんの馬に乗るって」

「アカシとゴッドオブウインのイメージに縛られすぎやで田渕。俺も普通に乗るから」

俺が乗るのはローリングデイズ。
関東馬で1回乗ったことがある。
前走は福島の同クラスで5着だった。
この馬は昨年のクラシックに出てたほどの馬で噛み合えばと思っている。

和也の持ってる新聞を見ながらレースのことを考える。
明日は6鞍乗せてもらえるし明日のことを部屋に戻って考えるとするか。
そう思って立ち上がろうとすると。

「じゃあ俺は戻るで」

「武岡さん明日何鞍でしたっけ」

「6鞍や」

「俺は7鞍です。楽しみですね」

また気持ちの悪い笑顔を浮かべられる。
こいつに振り回されるのは今だけでいい。

「じゃあな」

俺は食堂を出て部屋に戻った。
新聞を広げて明日乗るレースの展開を考える。
明日の6鞍のうち3鞍はあいつと被る。
あいつは突拍子のないこともするけど基本はセオリーに倣ってるんだよね、ああ言いながらも。

極論言えばあいつが海外被れしてようが浮かれようが自分が勝てばいいわけだけど。
それじゃちょっとつまらないからあいつと応酬をする。
でもちゃんと切り換えるよ、勝負だからね。

なんて楽しみなんだかよく分かんないことを思いながら俺は新聞片手にシミュレーションをする。

END

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