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「とにかく。君らはそのままでいい。けど遠慮や気遣いはほどほどにな。ぶつけるときはぶつかって。こうして机上で語ってるんじゃなくて松本くんに伝えればいいんじゃない？」
「武岡さんもね」
「俺は和也や櫻井くんに伝えてるやろ。まあ松本くんはいずれの機会に」
「……ずっと考えてたんですけど潤は自分を映す鏡なんですかね」
「櫻井くん上手い」
俺にとって松本くんは救い切れなかった自分のためになり、ある人にとっては思い通りにならないストレスのはけ口になる。
和也にとっても櫻井くんにとってもAちゃんにとっても違う形なのだろう。
「じゃあアカシで沢山勝って潤くんを助けないと」
「それはそうはさせへんで」
「武岡さん矛盾してる」
「競馬は競馬や」
「……この二人飽きないな」
「そうなんですよ」
結局は脱線しちゃうんだけど彼を見ることが自分を見つめることに繋がっていて自分の弱い所が見えてくるんだなと思った。
だからこそ人は人に勝手にレッテルを貼りつけてやり切れない部分をぶつけるのだ。
この年になっても勉強になることは多い。
「次回はいかがなされますか？」
「俺が美浦に行くよ」
「えっ？」
和也が大げさに驚いた。
こいつは俺をおちょくる。
「何の目的も今のところないけど。ええやろ」
「静かに来てくださいよお願いですから」
「分かってるわ」
「じゃあ松本さんに厩舎使えるか訊いてみますね」
「悪いね」
さあ次回は何を話そうか。
to be continued
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作者名：ユタカ | 作成日時：2020年7月16日 10時
