９２ Side Sho ページ8
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「樋口さんにお会いしたんですよ」
「俺も会うたで」
「あの方と後日ゆっくりお話ししたいなと思うんですけど、そこに武岡さんも立ち会っていただけないかと思ってるんです」
「一対一で話した方が良くない？」
「何でしょう。僕の味方、あちらの味方になっていただく必要はないんですが俯瞰的にみていただければ」
「日にちは？」
「来ていただけるんですね」
「櫻井くん何か考えがあるんやろ？」
武岡さんはニヤリと笑った。
この人は本当に。
「あると言ったらありますしないと言ったらないです」
「なんやそれ」
「日にちは武岡さんに合わせますよ。レジェンドはお忙しいですし」
「一クラブの代表が何言うてんねん」
というわけでスケジュールは後に調整ということになった。
武岡さんがいれば安心だ。
「ゴッドオブウインも行くんですよね。フランス」
「ああ。このまま順調に行けばまたアカシと戦うのか」
「こちらサイドとしてはまたゴッドオブウインと戦うのかって感じですが」
「ホンマやね。2歳の朝日杯から今年の春緒戦を除けば一緒やもんな」
「馬同士はどう思ってるんでしょうね」
「認識はしてるんと違う？あっよく見る顔やって。人間でもあるやろ」
「そうかもですね」
飲み物片手に競馬談義。
レジェンドと話すのは本当に楽しい。
「レースではもちろん恨みっこなしの勝負やけどそれ以外ではチームジャパンや。何か困ったことあったら聞いてな。そういう情報は共有していくもんやから」
「はい」
日本競馬史に名前を刻むこの人とこうして戦えることはもしかしたら幸運なのかもしれない。
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作者名：ユタカ | 作成日時：2020年4月22日 9時
