１２８ Side Sho ページ44
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アカシが日本を飛び立ってから約２８時間経った。
到着の知らせが来るまで競馬場にいても落ち着かなかった。
俺とさつきちゃんは札幌競馬場にいて馬主席で仕事をしていた。
するとタブレットが通知の音を出してくれた。
「おっカズだ」
画面を押すとカズと雅紀とアカシが現れた。
「ボンジュール翔ちゃん」
「ボンジュール。そっちは朝か」
「そうそう。そっちは午後ね。翔ちゃんどこにいるの」
「札幌。ほらこの通り。さつきちゃんもいるよ」
スタンドからの馬場を映してからさつきちゃんも映す。
「ということでアカシ無事に着いたよ」
「ありがとう、知らせてくれて。調整よろしくな」
「うん。相葉さんとしっかりやるよ」
するとカメラは雅紀とアカシのショットに。
「アカシオーナー様だぞ。ご挨拶」
アカシはタブレットに興味津々のようで鼻を近づける。
おかげでアップになりアカシの顔が見えない。この馬馬らしくなったよな。
「というわけで翔ちゃんじゃあね」
「ああ。無理するなよ」
スカイプを切る。まずは一安心だ。
あとはフォワ賞に向けてカズと雅紀が調整してくれるだろう。
「アカシ着いたんですね」
「ああ。まずは一安心だね」
「はい」
俺はスケジュール帳を広げる。これからは日本とフランスを行ったり来たりの毎日になる。
おかげでいつも黒い俺のスケジュール帳はさらに黒さが増していた。
「代表ワーカーホリックですよね」
「えっ？」
「スケジュール帳を見る目が嬉しそうでした」
「否定はできない」
実際予定が埋まるのを見るとわくわくするもんな。
「ここにさつきちゃんを可愛がる時間も入るから忙しいよなあ」
「代表、勤務中です。屋外です」
そうやってピシッと言われるのが好きだなんて俺も重症だ。
そして何はともあれこれからが楽しみだ。
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作者名：ユタカ | 作成日時：2020年4月22日 9時
