７２ Side Sho ページ31
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今年の日本ダービーが終わった。
あれから1年経ったのかと感じざるを得ない。
今年のダービー馬は浜口俊輔騎乗のナイトロジャーだった。
競馬界はダービーを境目に切り換える傾向にある。
今週から2歳戦が始まり来年のダービーを目指していく。
そんなダービーの翌日。
俺は一流ホテルに向かっていた。
言っちゃなんだがこの行為だけでは緊張しない。
問題はこれから会う相手だ。
そのホテルに着く。
日本庭園を臨めるラウンジを覗くとその人は既にいた。
「すみません。お待たせしてしまって」
「かまへんで。何か頼む？」
「じゃあアイスコーヒーをお願いします」
と隅に控えているウェイターに頼む。
ここは仕切りがあって何組か人がいて外の庭園には滅多に人が入らない。
サシで話すのには良い環境なのかもしれない。
「ダービー終わりましたね」
「終わったな。良い2歳馬頼んだで」
「はい。武岡さんに頼みたい馬いるんですよ」
「へえ楽しみやな」
武岡さんはアイスコーヒーを飲んだ。俺のアイスコーヒーが来る。
ミルクとシロップを入れ混ぜる。
潤のアイスカフェラテが飲みたくなる。
「自分のこと、調べました」
「そっか」
その声色に驚きはない。
余裕があってその様は品がある。
「武岡さんは何で知ってるんです？僕のこと」
「君のお父さんには昔からお世話になっててG1も勝った。だから食事する機会も当然あって。俺口堅いと思われてるんかなあ。言わんようにしていることは言わないようにしてるけど。それで知った」
「そうなんですか」
アイスコーヒーを飲む。
昨日のダービーは暑かったなと思う。
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作者名：ユタカ | 作成日時：2020年1月22日 9時
