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5月19日(日)第2回東京競馬10日目 5R 3歳1勝クラス(芝1600メートル)
中央競馬はよほどのことがない限り4R5Rの間に昼休みを挟む。
ファンはこの間に昼を済ますのだろう。
ジョッキーも連続騎乗しているとここで一息入れられる。
ジョッキーはレースの間ガッツリ食べる人は少ない。大概の人は体重がどうしても気になるから。
俺は増えない性質だけどエネルギーが必要だからさっきうどんをすすった。
5Rのために俺はパドックの控室に入る。
昼休み後だからジョッキーが集まっている。
俺はあの人の隣に腰掛けた。
「そういえば和也。フランスではどうやって暮らすつもりなん？」
「まずはホテル暮らしでそこからと思ってますけど」
「宝塚終わってから凱旋門終わるまでやろ？せやったら……」
「ボクのアパート貸すよ」
その隣で聞いていたらしいクレールが言った。
「クレールアパート持ってるの？」
「持ってる。カズナリのためなら貸します」
そういえば前に後輩ジョッキーがフランスに行ったときにクレールに手伝ってもらったと聞いたな。
「じゃあお言葉に甘えて。2部屋空けられる？アカシがフランスに来たときのために
「出来ます」
「ありがとう」
「フランスで聞きたいことがあったらクレールに何でも聞いた方がええで」
「そうですね」
ふと俺の脳裏には昨夜の映像が映る。
食堂で武岡さんと話した。
「武岡さんうちの翔ちゃんにどういうつもりですか？」
「えっ？」
翔ちゃんは今岐路に立たされている。
それは間違いなくこの人が発端なわけでついに訊いてしまった。
「どういうつもりって、お前は櫻井くんの環境を見て何も思わへんのか？ガキの頃から一緒におって？」
「それは」
確かに翔ちゃんは不自由な立場にはいる。分かってるそんなこと。
「相手の気持ちに乗るだけが友情やないやろ。俺はあくまで一石を投じただけ。俺を問い質すのはお門違いや」
最後にはまだまだやなと一蹴された。
俺の方が翔ちゃんを知ってるはずなのに何でこの人の方が的を得ているのだろう。
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作者名：ユタカ | 作成日時：2020年1月22日 9時
