５５ Side Masaki ページ14
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「そういえばさ」
パスタがなくなりかけていたときにニノが切り出した。
「俺宝塚終わったらフランス行くから」
「えっ？ニノが？」
俺がこう反応すると睨まれた。
「Aと同じ反応しないでもらえる？」
「太田ちゃんにはもう伝えたんだ」
「当たり前でしょ彼女なんだから」
でも内心松潤も大ちゃんも似たような反応だと思うんだけど。
ニノはずっと日本にいるイメージだったから。
ニノは理由としてアカシの凱旋門挑戦を理由に挙げた。
「こないだ秘書さんが言ってたじゃん？世間的には俺で凱旋門挑むのは無謀なんだろうね。付け焼き刃かもしれないけど経験を積みたいと思う」
飄々としたニノからこんな発言。
アカシのために自分を高めるんだから納得できる。
「うちの勝ち鞍の半分はカズだからな……」
カズに海外に行かれると勝ち星が減る。
正直カズのいない穴は大きいだろう。
「ごめんね潤くん。活きのいい若手や田渕とか乗せてやってよ。あっ武岡さんは駄目」
「えっカズがいないなら乗せたい」
「駄目」
「ニノがいないの寂しくなる」
「……俺あなたの彼氏じゃないんですけど」
するとニノは俺の方を向き。
「俺がいなくても時計間違えないでよ相葉さん」
「俺ニノより1つ上のはずなんだけどな……」
しかも今年35なのに。
昼食を食べ終えた俺はアカシを見に行った。
アカシが俺を見て顔を寄せる。
ニノがこの馬のために単身海外へ行くというなら俺はこの馬のために、ニノのために最高の舞台を整えなければ。
俺はアカシを撫でた。
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作者名：ユタカ | 作成日時：2020年1月22日 9時
