ただ、君だけに愛を【S.O】 (ページ20)

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２０　Side You ページ20

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少し先の未来を一緒に考えられるなんて思いもしなかった。
それからさらに先の未来の話をする。

「引っ越そうかな、Aの家に」

「おいでよ部屋は余ってるから」

「さすが一流芸能人」

「多少お金使わないと駄目なんだもん。となると家でしょ」

「だよなあ4LDK……」

「人数増えても大丈夫だし」

「子供か……。Aが心配。医療が発展してもやっぱり出産は過酷だし」

「そこは要相談だけど。子供がいても私と智二人きりでも楽しくいたい」

「それは当然」

自分たちの話ばかりを自然にする。
いつも翔や葉月ちゃん、仕事のことだけだったから。

この空間が甘くて幸せで想いを伝え合うということがどれだけ尊いものなのか考えさせられる。

智はとても優しい人。
私を救ってくれた人。
だからあなたの為なら命も差し出せる。

愛おしくて智にぎゅっと抱きつく。

「Aさん？」

「何？」

「そんな可愛いことされたら無理」

最初から音を発するキス。

「どうしようもなく好き」

揺らされながら囁かれる。

智が大好きで大好きで、あなた以外欲しくない。

きっとこれは愛だ。

智に魔法をかけられて溶かされる。
愛されて愛されて私はあなたしか見えない。

それはとても幸運なことだと腕の中で思う。
そしてその幸運が一生続けば良いと思った。

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