１６ Side You ページ16
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私と雪乃が入った高校に智と翔がいた。
最初は智のこと何とも思ってなかった。
智も翔も確かにかっこいいけど一緒にいる分そうじゃない所も見てたし。
でも雪乃は違った。
彼女は翔に恋をした。
翔もまた雪乃に惚れていた。
だから二人を応援した。
智と一緒に精一杯援護射撃をしてやっとくっついたときは嬉しかった。
私は小さい頃から身体が弱かった。
生まれたときに手術をしたぐらいだから身体の弱さはどうしようもないし諦めてる。
でもそれで親や雪乃、友達といった周囲に気遣わせる方が申し訳なかった。
高校生になっても多少のコントロールは出来るようになったけど相変わらず身体は弱かった。
だから学校を休むことはしばしばだったし、学校に行っても体調を崩すこともあった。
あるとき私は貧血でフラフラだった。
そのとき傍に智がいた。
「A」
「ん……」
「顔真っ青だよ」
「保健室行きたい」
「じゃあ、はい」
智が私に背中を見せる。
「おいで。ほら」
「うん」
私は智に身を委ねた。
智は私をおぶってくれる。
「やっぱA軽すぎる」
そう言って彼はフフッと笑った。
智から伝わる振動が心地良くて、男子の中じゃ華奢だと思ってた肩の厚さに内心びっくりした。
智におぶられて保健室に着く。
ベッドから智を見上げると彼は柔らかく笑う。
「休みなね。Aは頑張りすぎだから」
「……じゃあ私が具合悪いときは智が介抱してくれる？」
「しょうがねえな。いいよ」
智の笑顔が輝いて見えた。
このときからだ。私が智を意識しだしたのは。
彼の温かさ、優しさに惹かれていった。
私の体調が良くないとき助けてくれたのは智だ。
多分彼が養護教諭になったのは私の影響だと思う。
智が好きなのに何で告らなかったか。
ほどなくして私は芸能事務所にスカウトされた。
そのとき事務所に言われたのは20歳まで恋愛禁止。
というのもあるし、芸能界の仕事に集中したかったというのもある。
まずはモデルとして名前を少しずつ売っていき、女優としても知られるようになった頃。
私にとって衝撃的な出来事が起きた。
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作者名：ユタカ | 作成日時：2019年6月2日 10時
